「アフター米雇用統計」、「日銀金融政策決定会合」、「国内小売企業を中心とした決算発表」などを迎えた今週の日経平均の動きですが、買いの勢いを取り戻しています。下の図1を見てもお分かりの通り、4月9日(木)の終値は19,937円となり、15年ぶりとなる「日経平均2万円台」回復までいよいよ目前に迫っています(実際に、翌10日の取引開始直後に2万円をつけました)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (4月9日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

前回、日経平均の2万円台回復が意識されたのは3月第4週でしたが、その時の高値である3月23日の19,778円を超えてきました。いわゆる「節目」超えにより、「上昇基調の強さは続いている」と見ることができる一方、今週に入ってからのローソク足の並び方は、これまでにも何度か紹介しました、「三空」(三つ窓を空けて上昇する形)になっています。

三空は、「さすがに3日続けて窓を空ける上昇は過熱し過ぎだろう」という考え方ですので、足元の状況を、「節目超えの強さ」で捉えるのか、「過熱感で目先の調整警戒」で捉えるのか、判断しにくくなっていると言えそうです。逆を言えば、強気と弱気のそれぞれの材料に振らされやすく、値動きが大きくなるかもしれない可能性があるということです。

日経平均の動きをもう少し期間を長くして見てみます。下の図2の上段は今年に入ってからの日経平均の日足チャート、下段は東証1部の売買株数の推移を示したものです。

(図2)日経平均の日足チャート(2015年1月~)と東証1部の売買株数

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上段の日経平均のところに、トレンドラインが一本引いてあります。年初からの下落が落ち着いた1月16日の安値を起点とした上昇局面では、このトレンドラインが「サポートライン」として機能していましたが、3月下旬にこのサポートラインを下回ってしまいました。それが直近の上昇でサポートラインまで復帰してきたわけですが、下段の売買高を見てみますと、あまり盛り上がっていません。「値動き自体は強いが、売買のボリュームに欠け、株価上昇の割には力強さが感じられない」という印象です。

とはいえ、さらに期間を長くして、週足チャートでも見てみます(下の図3)と、3つの移動平均線(13週線、26週線、52週線)が上向きになっているなど、中長期的なトレンドは上昇基調を辿っていると言えます。

(図3)日経平均の週足チャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ただし、直近のローソク足を確認してみますと、高値を更新する一方で下値も切り下がっており、値動きが拡大基調になっている可能性があります。また、13週線は約3カ月平均線ですが、この13週線とローソク足の関係を振り返ってみますと、ほぼ3カ月周期で、13週線まで調整している場面が見られますので、中長期の投資スタンスの方は、株価を拾う「押し目」を探っているかと思いますが、13週線までの調整がひとつの目安になるかもしれません。