足元の日経平均の動きですが、下の図1の見た目の通り、値動きの荒い展開となっています。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き (4月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

27日(金)はヒゲの長い陰線が出現し、ヒゲがちょうど5日移動平均線と25日移動平均線の間にすっぽりと収まっているほか、月末となる31日(火)の大きな陰線、2日(木)の上ヒゲの長い陽線などが特に目を引きますが、この期間の終値を結ぶと、日々の値動きが荒い割には方向感が出ていないことがわかります。

日経平均の動きをもう少し期間を長くしてみますと、今年に入ってからは、月末から月初にかけて相場が軟調となるパターンが続いています。ただし、今回はこれまでに何度か紹介しました、レンジを下抜けており、1月半ばから続いた上昇基調はひとまず終了した可能性があります(下の図2)。

(図2)日経平均(日足)チャート(4月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

もちろん、再びレンジに復帰するシナリオも十分にありますが、注目されるのは引続き75日移動平均線との乖離線です(下の図3)。

(図3)日経平均の日足チャートと75日移動平均乖離線(4月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

ここ数ヶ月の動きを見ると、106%水準辺りが相場の節目になっていることが分かります。4月2日の取引終了時の乖離率は106.63%ですが、2月末から3月あたまに軟調となった局面でも106%水準で踏みとどまっていますので、ここを維持できるかが目先のポイントとなりそうです。

また、MACDでも確認してみます。

(図4)日経平均の日足チャートとMACD(4月2日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

MACD、シグナルともに下向きになっていますが、3月のMACDは300円を超える状況が続いていました。MACDとは、短期と中期の2本の平滑移動平均線の乖離幅を表している線ですので、短期線が先行して上昇したことになります。それがここにきて下向きになっているということは、上昇のピッチがいったん弱まり、中期線との乖離を修正しようとしていると考えることができます。

乖離の修正と言っても、①短期線が中期線まで一気に下落していく、②もみ合いを続けながら中期線が短期線に追いつくのを待つなどのパターンがあり、一概に下落トレンド入りというわけではありませんが、よほど強い買い材料が出てこない限りは、これまでの上昇の勢いを取り戻すのは難しいとみて良さそうです。今後は保ち合い相場を形成しつつ、次の展開に備えるという動きがメインシナリオとなりそうです。