11年6月中間期に77%増益、飲料・食用油・ワイン部門の好決算を評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00506 中国食品有限公司(チャイナ・フーズ)  6.18 HKD
(08/30現在)
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中国食品の2011年6月中間期の純利益は前年同期比77%増の3億1500万HKドルに達し、BOCI予想(57%増益)を上回った。製菓部門の赤字は予想以上に膨らんだが、飲料部門、食用油部門の好調やワイン部門の粗利益率の改善などがマイナス要因を吸収した。また、コスト管理が奏功し、販売管理費の対売上比率は前年同期を4.1ポイント下回る19.9%に改善した。同社は1株当たり0.0407HKドルの中間配当を実施する方針(配当性向36%)を明らかにしている。

ワイン部門の中間期の売上高は前年同期比20%増の17億5300万HKドル、営業利益は81%増の3億HKドル。ブランドマーケティングの強化や製品構成の改善を背景に、平均販売価格が30%上昇した。販売量は9%減少したものの、売り上げ全体に占める中・高価格製品のウエートが同社目標(45%)を上回る50%に拡大し、中でもハイエンド製品「Chateau Junding」の売上高が125%増を記録。これに伴い、粗利益率は5.2ポイント改善した。BOCIは高価格製品のウエート拡大が続くとみて、ワイン部門の粗利益率に関する11-13年の想定値をそれぞれ64.4%、64.8%、65.0%に上方修正した。

一方、飲料部門の売上高は34%増の53億1300万HKドル、営業利益は30%増の2億7500万HKドル。販売量は18%増。飲料販売の好調は前年1-4月の比較対照数字が低かったことも一因だが、ほかに価格転嫁に伴う単価の上昇や製品ミックスの改善などが寄与した。部門粗利益率は1.8ポイント下落したものの、原材料コストが高騰する中、他の同業銘柄に比べて小幅の低下幅にとどまった。BOCIは予想を上回る販売量の伸びを受け、飲料部門の予想売上高を上方修正したが、原材料価格の高騰が続くとみて、下期に一段の粗利益率悪化を予想。11-13年の予想営業利益をほぼ現行水準に据え置いた。また、中国における3大コカ・コーラ製造事業者である同社にとっては、米コカ・コーラ社が40億米ドル規模の対中投資計画を発表したことが追い風となるとの見通しを明らかにしている。

食品油部門の売上高、販売量は中間期にそれぞれ116%、70%増加し、営業利益は682%急増した。BOCIは11年通期の販売量に関する想定値を前年比30%増から45%増に上方修正し、平均販売価格に関する予想値(前年比12%上昇)を据え置いた。下期の粗利益率の低下を見込みながらも、予想営業利益率を0.5%から1.0%に上方修正している。

BOCIは11-13年の予想純利益を4.6-6.3%の幅で増額修正。10-13年、11-14年に平均49%、25%の利益成長を達成する見通しを示し、同社株価の先行きに対する強気の見方を継続した。このほか、BOCIは地域単位で全事業部門の意思決定および営業プラットホームを一本化させる同社方針を前向きに評価している。