足元の国内株市場の動きですが、日経平均は先週末(1月16日)に75日移動平均割れの水準(16,678円)で下げ止まった後、週初の月曜日(19日)には節目の17,000円台を回復、翌火曜日(20日)は、ECB理事会で量的緩和の決定観測が高まったことで、17,300円台に乗せる場面がありました。その後も小動きが続いていますが、概ね堅調に推移していると言えます。とりわけ、5日移動平均と25日移動平均線が意識される展開でした(下の図1)。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(1月22日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて、図1のチャートを見てみますと、まず目立つのは20日の大きい陽線です。その後は2日間(21日~22日)にわたって短い線が続いている格好ですが、2本とも20日の陽線の範囲内に収まる「包み足」となっています。ローソク足の並び的には弱いのですが、ともに25日移動平均線水準を維持しているため、イベントを控えた様子見姿勢の現れと考えることができそうです。ECB理事会をはじめ、ギリシャの選挙、日米の企業決算の本格化、米FOMCなど、来週にかけて多くのイベントが控えています。

別の言い方をすれば、これらのイベントの通過とともに株式市場も動意づく可能性が高いわけですから、当面の上値と下値の目処を確認してみたいと思います。

まずは日足で確認します(図2)。日経平均は昨年12中旬と年初に急落する場面がありましたが、前回も紹介しました通り、昨年10月の日銀の追加金融緩和によって押し上げられた水準で下げ止まり、ある程度の値幅調整が完了していることと、直近の75日移動平均線がサポートとして機能していることから、下値の目処は16,500円までと考えて良さそうです。一方、上値の目処は昨年10月17日の安値を基準に下値を結んだ線が2本引けますが、まずは①のラインまで戻せるかが注目されそうです。

(図2)日経平均(日足)の動き

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

次は週足チャートでも確認して見ます(下の図3)。いわゆる「黒田バズーカ第1弾」が発動された2013年4月からの日経平均はレンジ相場を形成していたことがわかります。そのため、中期的にはこのレンジ内での推移がメインシナリオとなりそうです。3本の移動平均線(13週、26週、52週)もこのレンジ内に収まっており、下値の目処として意識されそうです。逆に、レンジの上限を突破することになれば、1年半以上続いたレンジ相場から脱却することになりますので、しばらく上値を追う展開に入る可能性が高くなりそうです。

(図3)日経平均(週足)の動き

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)