11年6月中間決算は32%増益、「良無限」などのプラットフォームが急成長

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01688 阿里巴巴(アリババ)  8.79 HKD
(08/12現在)
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アリババの2011年6月中間決算は、売上高が前年同期比22%増の31億5600万元、純利益が同32%増の9億1700万元に達した。マーケティング費用の軽減やコスト管理の奏功で、同期のEBITA(金利・税引き・償却前利益)マージンは37%の水準に上昇した。BOCIは11年12月通期について前年比20%の増収、16%の増益を予想。同社が現在、内部再編を進めていることに言及しながらも、通期収益が市場予想を上回る可能性を指摘した。また、目標株価を現行水準に維持し、同社株価に対する見通しを強気に上方修正している。

EBITAマージンは4-6月期に35.5%。予想外の38.8%を記録した1-3月期を下回ったが、それでもBOCIの予想を上回る水準に達した。

B2Cプラットフォーム「良無限」(Liang Wu Xian)、国際取引プラットフォーム「全球速売通」(Ali-express)は中間期に急成長。3つの取引プラットフォームの1日当たり商品取引総額(GMV)は10億米ドルに達した。

登録ユーザー数が国際、国内の両マーケットプレイスで堅調な伸びを示す一方、有料アクティブ会員数は国際、国内の双方で減少した。信用管理の強化が影響したとみられている。ただ、BOCIは年末に向けて有料会員数が下げ止まると予想。サプライヤーの質的改善やサービスの徹底といった同社の努力に触れ、2月以降、クレームが70%の幅で減ったと指摘している。また、今後も引き続き、国際、国内両マーケットプレイスの総売上高に占める付加価値サービスの割合が上向くとみている(2010年通期には国際が25%、国内が20%)。

経常ベースのフリーキャッシュフローは4-6月期に4億5100万元と、1-3月期の1億5900万元から大幅に回復した。 4-6月期には繰延収入は前四半期比で3.6%減(前年同期比では9.1%増)。1-3月期の同5.1%減から改善傾向を示した。 BOCIは同社のポジティブな動きとして、“代理人販売”型モデルで展開している「良無限」が、ビジネスモデルの枠を越えて「全球速売通」の領域に広がる可能性に言及。これが新規顧客基盤の拡大につながるとの期待感を示した。また、現在同社が進めている価格決定システムの見直しが、会員費だけでなく、マーケティング関連の付加価値サービスに広がるとの見方を示している。 一方、同社のリスク要因は、世界的な景気不透明感による中国の輸出への影響。BOCIは今年下期、来年にわたり、状況の目立った改善には期待しにくいとみている。