連休明けで営業日数の少ない今週の日経平均ですが、引続き節目の17,500円台に乗せきれず、上値が重たい展開が続いています。その一方で、下値も切り上がっており、「三角保ち合い」を形成しつつあるようです(下の図1)。
(図1)直近の日経平均(日足)の動き
一定期間の株価の上げ下げによって形成される型から相場を眺める手法は「フォーメーション分析」と呼ばれ、三角保ち合いはそのざっくり分類した一種です。図1のパターンは三角保ち合いの中でも、上値が抑えられる一方で下値が切り上がる「上昇三角形型」となります。
この他にも、ペナント型やフラッグ型、ボックス型などの保ち合いがありますが、どの型も一般的には、保ち合いをブレイクした(抜けた)方向にトレンドが発生しやすいという見方です。
「じゃあ、今回は上下どちらにブレイクしそうなのか?」が気になるところです。図1の上昇三角形型は、上昇への期待が比較的高い格好と言われています。「確かに上値は重たいものの、少し下がると買いが入って下値が切り上がっているわけだから強気だろう」という考え方です。
また、他のテクニカル指標とも比べて見ます。下の図2は、図1の下にRSIを追加したものです。日経平均が下値を切り上げていることは繰り返し触れましたが、RSIは逆に下値を切り下げています。つまり、日経平均とRSIの差が拡大する逆行現象となっています。
(図2)直近の日経平均(日足)とRSIの動き
よく、「逆行現象はトレンド転換の予兆」とされていますが、実は、逆行現象にはトレンド転換を示すサインと、トレンドフォローを示す「隠れた」逆行現象の二種類があります。大まかに分けると、下の図3のようになります。
(図3)「逆行現象」のパターン
見分けるポイントですが、株価が高値・安値を更新する中で発生した逆行現象はトレンド転換、RSIが上値・下値を更新する中で発生した逆行現象はトレントフォローとなります。今回の場合はトレンドフォロー型の逆行現象ですので、RSIから見ても強気と考えられます。ちなみに、逆行現象はRSIに限らず、ストキャスティクスなど、いわゆる「オシレーター系」指標全般でも基本的には見方は一緒です。
以上のように、今後も上昇していく確率が高いと判断できそうですが、保ち合いを形成する期間が短いことや、25日移動平均線からの上方乖離がまだ大きいこと、さらに、前回も触れましたが、日経225オプション取引でプットの建玉残高が増加しており、下落に備える動きも見られることから、下振れシナリオも意識しておく必要はありそうです。
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