今週の日経平均の動きですが、とりわけ目立つのは11日(火)の急上昇です。にわかに現実味を帯びた「消費増税判断の先送りと衆議院の解散総選挙」への思惑が背景になった格好ですが、これにより、終値ベースでなかなか抜け切れなかった節目の17,000円台を突破し、13日(木)の終値でも年初来高値を更新して17,392円となりました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図1は直近の日経平均の足取りです。先週から10日(月)までの約1週間は、17,000円水準で上値が重たい展開でした。とりわけ、先週の5日(水)~6日(木)にかけて出現したローソク足の組み合わせは、前日の陽線に当日の陰線が食い込む「かぶせ線」という、買いの勢いが弱まっているサインとなったことで、その後は弱めのローソク足が2本続きました。

その一方で、日銀サプライズ緩和による「上昇貯金」と「窓明けバリア」がサポートとして機能しつつ、先ほどのかぶせ線を上抜く、11日の陽線出現を迎えます。これは「かぶせ線の上抜き」と呼ばれ、相場の勢いが弱まるかと思いきや、それを打ち消す格好のため、「やっぱり相場は強いんじゃないか」という考え方で、上昇相場での買いサインとされています。

翌12日(水)は、続伸しながらも上ヒゲの長い陰線で弱めの線となりましたが、13日はやや大きめの陽線となり、かぶせ線の上抜きも含めて、何だかんだで足元の相場基調は強いと言えそうです。また、少し長めのチャートでも、10月の急落からV字型の回復を見せたことで、8月下落時の底を起点としたトレンドラインまで戻してきています(下の図2)

(図2)日経平均(日足)チャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

前回は目標株価の計算方法について触れましたが、日経平均が17,000円台の半ば近くまで上昇してきたことで、N計算値(17,018円)から、まだちょっと遠いですが、V計算値(18,219円)も視野に入ってきたことになります。18,000円台は月足チャートで確認してみると、2007年7月以来となり、リーマンショック前につけていた高値水準となります(下の図3)。

(図3)日経平均(月足)チャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

週足のRSIでは、やや逆行現象気味になっているのが気になりますが、今後の上昇に期待したいところです。

(図4)日経平均(週足)チャートとRSI

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)