今週の日経平均は4連騰を見せ、11日(木)の取引終了で15,900円台を回復しました。ようやく節目の16,000円台や昨年末の16,300円の水準も視野に入ってきた印象ですが、TOPIXについてはすでに年初来高値を更新しています(図1と図2)。

(図1)日経平均(週足)チャート

(図2)TOPIX(日足)チャート

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

このまま、上昇基調の流れに乗りたいところではありますが、足元のローソク足の並びを眺めてみると、少し悩ましい状況です。

(図3)ここ直近の日経平均(日足)のローソク足の並び

上の図3は、ここ直近の日経平均の日足チャートを拡大したものです。まず目立つのは9月2日につけた陽線です。その後は陰線がしばらく続き、陰線の値動きのレンジ内の陽線が出現した後に、9月11日の「窓」を空ける陽線となりました。

注目したいのは陰線が続いているところで、いずれの陰線も9月2日の終値水準を維持しています。ちょうど先週解説しました、「押さえ込み線」が継続しています。その後、もみ合いを上放れる陽線となったわけですから、基本は買いと判断すべきところではありますが、同時に上昇局面での陰線が5本出現し、「上位の陰線5本」と呼ばれる売転換のサインも現れていました。つまり、「押さえ込み線かつ上位の陰線5本」だったわけです。

結果的には、その後の陽線、窓空けの陽線となっているわけですから、全体的な上昇基調は崩れていないと言えます。例えば、翌日に出現するローソク足も同じような陽線であれば、「上放れの並び赤」という買いサインとなるため、日経平均は16,000円を試す可能性もありますので、注目です。

週足チャートでも確認してみますと、ちょうど、3つの三角保ち合いが確認できます。①では保ち合いを抜けつつあり、直近の上昇に弾みがつく可能性がありますが、もし抜け切れなかった場合でも、②の保ち合いへと収斂していくと思われます。とはいえ、少し過去に遡った③の保ち合いが下抜けしており、その後下げ止まった線は②ですから、テクニカル的にはしばらく三角保ち合いが続くシナリオも十分有り得る状況と言えそうです(下の図4)。