日本とドイツでのPC事業を傘下に、長期的に10%の利益上乗せを予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00992 聯想集団(レノボ・グループ)  5.14 HKD
(08/04現在)
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レノボ・グループはこのほど、NECとの間で日本国内の両社のパソコン(PC)事業を統括する合弁会社を設立し、その経営権を取得。NECのPC部門とレノボ・ジャパンを傘下に収めたと発表した。また、ドイツの大手電子機器メーカー、メディオンの株式36.66%を2億3100万ユーロで取得する計画を明らかにした。BOCIは日本・欧州という成熟市場の販路に直接乗り込むことで、ハイエンド市場におけるレノボのシェア拡大に見込めるとし、戦略的な重要性を指摘。この買収2件が長期的に、同社純利益を10%押し上げる見通しを示している。

NECは日本におけるナンバーワンPCブランドで、昨年上期の国内シェアは20%。年間の出荷台数は224万台で、平均販売価格は982米ドルと、レノボ・ジャパンの734米ドルを上回る。日本のPC出荷台数は東日本大震災の影響で、今年4-6月期に前年同期比3%増にとどまったが、BOCIはレノボ・ジャパンを上回るNECのPC平均販売価格が粗利益率の改善につながるとみている。また、この買収のメリットの一つは、NECの販路を利用したハイエンド製品の販売増で、製品ミックスのアップグレードが予想されること。このほか、調達部門の一本化がコスト削減につながるとみられている。BOCIによると、日本市場におけるNEC/レノボのシェアは、この先25%に達する見通しという。

一方、独メディオンの買収により、ドイツPC市場におけるシェアは14%超、欧州PC市場でのシェアは7.5%に拡大する見込み。また、急成長を遂げる西欧のモバイルインターネット市場の開拓が期待されている。BOCIは2011年度のNEC PC部門およびメディオンの売上高が22億米ドル、23億4700万米ドルに上り、レノボ全体の各10%強を占めると予想。また、持ち株換算の利益貢献はそれぞれ1133万米ドル、1606万米ドルに達し、利益全体の4.15%、5.88%を占めるとみている。

BOCIによると、同社のリスク要因の一つは欧州財政不安と西欧PC市場における過剰在庫。現地市場では厳しい市場競争に直面する見通しという。また、日本市場では収益性改善までにある程度時間がかかる見込み。日本のユーザーが国内ブランドに乗り換え、これがNEC/レノボのシェアに影響する可能性もあるとしている。

BOCIはレノボの目標株価を現行水準(主要同業銘柄と並ぶ12年予想PER13倍に相当)に据え置き、同社株価に対する強気見通しを継続した。