今週の日経平均も先週からの反発基調が続いています。21日(木)までで9連騰となりましたが、イマイチ上昇の実感が持てない印象をお持ちの方も多いと思います。
とは言いつつも、日経平均は直近の下落幅の「3分の2」戻しを達成しています。具体的には7月31日の高値(15,759円)と8月8日の安値(14,753円)で1,006円ほど下落しているのですが、図1の通り、「3分の1戻し(15,089円)」、「半値戻し(15,256円)」を次々と突破していきました。
(図1)日経平均のチャート(日足)と下落幅の戻り
「半値戻しは全値戻し」という言葉があるように、この勢いが続くかが注目されますが、冒頭でも述べましたように、実感の持てない印象の背景には、取引の少なさと値動きの小ささが上げられます。例えば一日の取引の大きさを示す日中値幅(高値-安値)の推移を辿ると、19日に約47円となり、今年最小となりました。
日経平均の日中値幅と東証1部売買代金の推移
日付 | 日経平均の値幅 | 東証1部出来高 |
---|---|---|
8月11日 | 188円 | 1兆8,608億円 |
8月12日 | 110円 | 1兆6,180億円 |
8月13日 | 127円 | 1兆5,429億円 |
8月14日 | 66円 | 1兆5,702億円 |
8月15日 | 51円 | 1兆3,921億円 |
8月18日 | 62円 | 1兆3612億円 |
8月19日 | 47円 | 1兆5,946億円 |
8月20日 | 59円 | 1兆5,636億円 |
8月21日 | 76円 | 1兆7,851億円 |
再び図1のチャートを見ると、8月に入ってからの下落局面では日本の取引時間でも値を下げる日も目立っているのですが、その後の反発局面では特に日中に大きく値を伸ばす場面が見られず、米株市場など外部環境の地合いを引き継いで「窓空け」でスタートし、そのままもみ合いという展開が多く、薄商いでしたし、国内要因で大きな動意に乏しかったことが分かります。
さすがに9連騰もすると相場の過熱感も意識されてくるころですが、ローソク足でも確認してみたいと思います。
(図3)連騰中の日経平均のローソク足の動きと、ローソク足の合成
図3の左側を見ると、先程も述べたように、窓を空けて上昇してもみ合いというパターンです。そこで、もみ合っている局面のローソク足を合成してみると、右側のようになります。窓空けの陽線が3つ続き、酒田五法の「三空踏み上げ」のような格好となっており、相場が反落することが多いサインに見えます。この三空は、「3つも窓明けが続くのはさすがに行き過ぎ」という考え方が背景にあり、逆のパターン、つまり下落局面で3つ窓を空けて陰線が続いた場合は「三空叩き込み」といって反発のサインになります。
もっとも、陽線の実体の長さが短いこともあり、三空踏み上げの形としては完全ではなく、売りサインとしての信頼性は微妙なところですが、この上昇の勢いのまま全値戻しを達成してから売られるのか、全値戻しの前に売られてしまうのか、売買のタイミング判断が難しい状況と言えます。
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