地政学的な緊張の高まりで大きく下落した先週末の日経平均ですが、連休を挟んだ今週は、「リスクオフ」ムードはひとまず一服している格好です。また、国内でも注目企業の決算発表が出始めましたが、良好な結果や見通しに対して素直に好感する動きも見られるなど、相場の地合いは堅調と言えます。ただし、買いが続かないことや、チャートの動きを辿ってみると、膠着感が強い印象です。
(図1)日経平均のチャート(日足)
上の図1は、日経平均の日足チャートです。前回紹介した「三角保ち合い」の範囲内での推移が続いていますが、24日の日経平均終値(15,284円)は、移動平均線の25日線(15,310円)を下回り、同様に5日線(15,308)も25日線をわずかに下抜ける「デッドクロス」となっています。5日線と25日線のデッドクロスの出現は4月10日以来なので久しぶりです。いずれにしても、弱いとは言い切れないまでも買いの勢いが感じられず、あまり良い状況とは言えません。
とはいえ、中期的な視点では、相場の天井とされる「団子天井」っぽいのが気になるものの、まだしっかりしています(図2)。
(図2)日経平均のチャート(週足)
(図3)日経平均の一目均衡表(週足)
さらに、図3の一目均衡表(週足)を見ても、株価が「雲」をキープしているほか、来週から遅行線がローソク足よりも上に位置しそうなこと、転換線も基準線を上抜けたことなど、良いサインがいくつか確認できます。とはいえ、基準線が下向きなのと、サポートとなる雲の上限が来週から14,956円となっており、15,000円割れまでの調整の可能性も燻っています。
では、調整の有無の可能性について、同じく一目均衡表の日足で確認してみます。
(図4)7月24日取引終了時の日経平均の一目均衡表(日足)
24日のローソク足を見ると、終値が転換線の水準、安値が基準線の水準が目処となっており、テクニカルの節目が意識されているような格好です。また、週足の一目均衡表とは異なり、日足では25日以降に遅行線がローソク足より下に位置しそうな状況となっています。次にやって来ると思われる良くないサインとしては、転換線が基準線を下抜けることが考えられます。
基準線は「当日を含む26日間の最高値と最安値の平均値」で計算されます。ちょうど、遅行線があるローソク足以降の最高値と最安値の中間線になるわけです。
(図5)7月24日取引終了時の日経平均の一目均衡表(日足) その2
図5を見てみると、7月25日以降、基準線の計算範囲の最安値が徐々に切り上がっているため、基準線もしばらく上向きとなることが想定されます。それに伴って転換線との距離が縮まっていくことになりますが、転換線が下向きの格好でない限りはあまり心配はいらないと思われます。
転換線は基準線よりも期間の短い「当日を含む9日間の最高値と最安値の平均値」ですので、日経平均が7月18日の安値(15,110円)を下回らなければしばらく転換線が下向きにならないため、この水準を下値の目処として維持していけるかが注目ポイントとなります。
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