コタイの新規カジノリゾートが12年開業、マカオ業界2位の座を強化へ

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01928 金沙中国有限公司(サンズ・チャイナ)  21.70 HKD
(07/25現在)
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サンズ・チャイナはマカオ・コタイ地区の第5-6区画でカジノ、ホテル、娯楽施設、商業施設を併設した大型総合リゾートの開発を進めている。新たなリゾートはカジノテーブル数475台、スロットマシン2,200台、ホテル客室6,000の規模で、さら12万5,000平方フィートに上る会議・展示・イベント施設、大型ショッピング施設などを備える。第1期部分は2012年4月、第2期部分は13年後半に開業する予定。同社はすでに大型リゾート「ベネチアン・マカオ」の運営経験を有し、親会社の米ラスベガス・サンズは有力なカジノ事業者。BOCIはこうした点から、同社の純カジノ収入(NGR)と純利益が10-13年に年率28%、41%の伸びを示すとみて、13年にそれぞれ77億米ドル、18億米ドルに達すると予測している。また、同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

コタイにおける新規開発プロジェクトを受け、同社は総カジノ収入(GGR)およびテーブル数で、マカオ業界2位の座を一段と固める見通し。カジノ銘柄の中では唯一、12年に新規施設の開業を予定している。

新規リゾートの開業に伴いカジノ事業の規模が拡大し、テーブル数は昨年と今年の1,132台から1,532台に、スロットマシンは3,388台から5,588台に増加する見込み。BOCIは新たな施設においても、ベネチアン・マカオと同様の成功を収めるとの期待感を示し、12年、13年の純カジノ収入が計34億米ドル、調整後EBITDA(金利・税引き・償却前利益)が計11億6,000万米ドルに達するとみている。また、10-13年にはEBITDAが年率30%増加し、10年の12億米ドルから13年には28億米ドルに拡大するとの見方。10年に29.4%だったEBITDAマージンも、13年には31.8%に上向くと予測した。営業利益については2010-13年に年率30%の伸びを見込み、13年時点で19億米ドルに達するとみている。

一方、同社のリスク要因は以下の通り。
◇中国本土の中間層の所得減や国内経済の減速、マカオへの個人旅行規制の強化
◇コタイ第5-6区画開発向けの設備投資が巨額(40億3,000万米ドル)に上るため、利用者数が予想を下回った場合に投資リターンの大幅な落ち込みにつながる可能性がある
◇他のカジノ事業者と同様、サンズ・チャイナも世話人(ジャンケット)を通じてVIP客向けに与信枠を設けており、中国の信用引き締め策が売掛金の焦げ付きにつながる可能性がある
◇営業権に絡むマカオ政府に対する訴訟で敗訴した場合、コタイ第7-8区画の着工前コストとして1億210万米ドルの損失が発生する可能性がある。