「アフター米国FOMC」となった今週19日(木)の国内株市場は大きく上昇しました。日経平均は3月の戻り高値水準をようやく回復した格好です。また、先週「維持できるか?」と注目していたMACDもシグナルを微妙に下回っているものの、シグナルの水準で一応踏みとどまっていると言えます。
(図1)日経平均(日足)チャートとMACD
国内株市場はここのところ新興株市場の動きが目立っていましたが、実は東証1部の年初来高値更新銘柄数は100銘柄を超える日が多く、地味ながらも買われているものは買われていました。そのため、東証1部の指数であるTOPIXについても見てみたいと思います(下の図2)。
(図2)TOPIX(日足)チャート
TOPIXも3月の戻り高値を超えており、日経平均よりもやや強いといった印象です。両者に共通しているのは、これから年初来高値を目指すにあたって、1月23日から24日にかけてローソク足が離れて位置しており、いわゆる「窓」を空けているという点です。この窓を埋めるには相場のエネルギーや材料が必要になるため、ここからが直近の相場の上昇の勢いが試される局面に入ることになります。
また、19日のローソク足はともに足の長い陽線(終値が始値よりも高い白い線)となっており、翌20日の値動きがポイントとなります。注意したいのは「はらみ足」と呼ばれる形が出現するかどうかです。はらみ足とは、当日のローソク足が前日のローソク足の範囲内に収まる形のことです(図3)。
(図3)はらみ足
はらみ足の出現は、「前日に株価が大きく動いたのにもかかわらず、当日は前日の値幅内で売りと買いが交錯してしまっているので、もしかしたら相場の勢いが弱くなっているのでは?」という考え方で、相場の流れが変わる前兆とされています。天井圏で出現すれば売りの前兆、底値圏で出現すれば買いの前兆というわけです(図4)。
(図4)はらみ足のパターン
もっとも、はらみ足はあくまでも相場の勢いの鈍化を意味するものであって、トレンドの転換を示すサインでありません(そのため前述では前兆という言葉にしています)。そのため、そのままトレンド転換となるケースもあれば、ひとまず小休止した後に再び勢いを取り戻すというケースもあり得ます。いずれにしても、はらみ足が出現すればいったん警戒し、前日の終値もしくは高値を超えるローソク足が出現すれば、トレンドの勢いが続いていると短期的には判断できそうです。
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