今週の国内株市場は、週の半ばまでは日経平均が取引時間中に節目とされる14,000円を下回り、終値で何とか維持するという冴えない展開が目立ちましたが、22日(木)に大きく反発しました。
日経平均14,000円という節目は、今年に入って度々下げ止まった水準ですし、「ちょっと相場のムードが悪くなるとここまでは下がるよ」みたいな位置付けで、下値の目処としてとても強く意識されている印象です。
この事はチャートを見ても感じとれます。下の図1にあるのは、日経平均の日足チャートです。年明けの急落が下げ止まった2月のあたまから、14,000円水準を下値とした線と、戻り高値を結んだ線の二本の線で三角形を形成してきました。いわゆる「三角保ち合い」です。
(図1)日経平均の日足チャートと三角保ち合い
三角保ち合いでは、次第に株価の上下の動きが小さくなっていきます。これは売りと買いが拮抗して株価がもみ合っていることを表しています。相場の方向性がハッキリしない膠着状態が続くわけですから、鬱憤やエネルギーが蓄積され、「この保ち合いを抜けた方向に大きく株価が動くのではないか?」というのが三角保ち合いの考え方です。
図1を見ると、丸印の箇所のように、上方向に抜けかけた場面があったものの、結局保ち合いに戻ってしまいましたが、22日(木)の取引で再び抜けかける状況となりました。「三角形もかなり形成されてきたタイミングだし、いよいよ本格的に戻り局面入りか?」とも見てとれます。であれば、ひとまず75日移動平均線もしくは短期トレンドラインのところ、現時点では14,500円~14,600円の水準まで戻せるかが目先の注目点です(図2)。
(図2)日経平均の日足チャートとトレンドライン。
また、図1の三角保ち合いは上値を切り下げる格好で形成されてきたわけですから、「株価が保ち合いを上抜けたからと言っても、戻りの勢いはそんなに強くないのでは?」とも考えることができます。下の図3は、図1にトレンド系のテクニカル分析のMACDを重ねたものです。MACDの見方については別の機会で改めて紹介しますが、ここでは形状だけに注目してください。一定のリズムでもみ合っているというよりは、前半と後半でガラリと印象が異なる印象です。
(図3)MACDと「プチ三角保ち合い」
そこで、後半部分に焦点を当てた、「プチ三角保ち合い」を引いてみました。すると、22日の高値が上値の線で抑えられていることが分ります。そのため、プチ三角保ち合いの範囲内であと数日もみ合いが続く可能性もあるわけです。
また、別の見方をすれば、この14,000円台からの大きな下振れは、日本株に対する悲観的な見方が強まることになるので、できれば三角保ち合いの上放れ局面であることに期待したいところです。
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