大型カジノリゾート開業に伴い成長力が急拡大、収益見通しを楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00027 銀河娯楽集団有限公司(ギャラクシー・エンターテイメント)  19.40 HKD
(07/25現在)
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大型カジノリゾート『ギャラクシー・マカオ(GM)』の5月の開業に伴い、銀河娯楽の成長潜在力が格段に向上した。GMは客室数が2250、レストラン数が50に上り、カジノテーブル450台、スロットマシン1500台、さらに高級ショッピングアーケードを備えた規模。開業から2-3週間にわたって満室が続く中、BOCIはGMの収益力を楽観視し、カジノテーブルの稼働率も下期以降に上向くとみている。また、GMには施設増築向けの用地(床面積換算で140万平方メートル規模)があり、この先、カジノおよびホテルの追加開発が可能。銀行融資を取り付け、マカオ政府からカジノテーブル増設と外国人労働者雇用に関する認可を獲得し次第、開発にとりかかる可能性があるという。BOCIはマカオ市場における同社のシェア拡大を見込み、収益見通しを楽観。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

BOCIは6月にGMの視察を実施したが、それによるとカジノフロア、特に一般客向けホールは、同社が運営するスターワールドや近隣のベネチアン・マカオに比べ、相対的に稼働率が低かった。ただ、2009年7月のシティー・オブ・ドリームズの開業当時との比較で好印象を得たと報告。現在60%の一般向けカジノテーブルの稼働率が13年には74%に上向く見通しを示している。

カジノフロアのテーブル数は現在450台にとどまるが、実際には600台を設置するだけのスペースがあり、稼働率の最適化や傘下のシティクラブからのテーブル移設といった柔軟な対応が可能という。同社傘下のカジノテーブル数はGM開業に伴い、昨年の357台から707台に拡大した。また、BOCIは年内のシネマコンプレックスの開業に伴い、GMの集客力がさらに高まるとみている。

GMの総カジノ収入は11年5月から13年までの合計で530億HKドル、調整後EBITDA(金利・税引き・償却前利益)は同96億HKドルに上る見込み。また、10年に22億HKドルだった同社全体のEBITDAは13年に71億HKドルに膨らみ、EBITDAマージンはこの間に11.6%から13.9%に上向くとみられている。このほか、営業利益、純利益は10-13年に年率69%、78%のペースで拡大し、13年にはそれぞれ56億HKドル、50億HKドルに達する見通しという。

一方、BOCIは同社のリスク要因として、
◇中間層および富裕層からの収入の落ち込み
◇中国政府によるマカオ個人旅行規制の強化
などの可能性に伴う投資収益率の悪化を指摘。また、世話人(ジャンケット)を通じて間接的にVIP客向けに信用枠を設定していることで、中国の金融引き締めを背景に売掛金が焦げ付く可能性を挙げている。