大型連休明けとなった今週7日(水)の日経平均ですが、いきなり前営業日比で420円以上も下落してしまいました。下の図1は直近1カ月の日経平均の日足チャートですが、そこにも長くて黒い線の存在感が目立っています。翌8日(木)は、前日の反動もあって130円ほど戻しましたが、前日の下げの大きさに比べればまだまだといった印象です。8日のローソク足の形は、短めの白い線に上に伸びた棒(上ヒゲ)が立っているような格好です。
(図1)直近1カ月の日経平均の日足チャート。
ローソク足の形や並び方を見て分析する手法と言えば、「酒田五法」というのが有名ですが、その手法の中で、実は7日と8日のローソク足の組み合わせは「はらみ線」といって、結構重要だったりします。正確にはこのパターンは「陰の陽のはらみ」と呼ばれています。
「陰の陽のはらみ」とは、大きな黒い陰線(終値が始値よりも安くなる線)の翌日に現れた白い陽線(終値が始値よりも高い線)が、この大きな陰線の中にすっぽり納まるような形(はらみ線)になるローソク足の組み合わせのことです。
「はらみ線」になるということは、前日の上げ下げの勢いが続かず、前日の値幅の範囲内で売りと買いがせめぎ合ったことを意味します。今回の場合、相場の下落基調の中で7日に大きな陰線が出現し、翌8日は結果として買いがやや強い陽線で終わったわけですから、「そろそろ売りが一服して株価が戻りに転じる兆しが出たのでは?」と読むことができます。
確かに、8日は陽線となっていますが、陽線の上ヒゲの長さが気になります。これは高値から押し戻されたことを意味しているため、買いサインとしては今回の「はらみ線」は少し弱い可能性があります。また、9日は5月のオプション&mini先物取引のSQ日でもあるため、9日は朝から買いを入れずに、いったん様子を見る必要がありそうです。いずれにしてもこのレポートが掲載される頃には結果が出ていると思われますが、仮に9日が陽線で終わることができれば、25日移動平均線(図1の青い線)までの戻りは期待できそうです。
酒田五法やローソク足の形と組み合わせのパターンについては、最初から説明すると本が1冊書けてしまうぐらい長くなりますので、今後も随時紹介していきたいと思いますが、重要なのはパターンを覚えて相場にあてはめることではありません。
実は、先ほどの図1のチャートでもいくつかのパターンが出現しています(図2)。例えば、①では買いサインとなる、「三空叩き込み」が出ながらも、反発しきれずに一段安となり、その後②の変則的な「三川明けの明星」の出現で戻りを試す展開になるなど、パターンをそのまま当て嵌めても、うまくいかなかったケースは結構あります。あくまでもパターンを参考に、その時のローソク足の状況を見ながら相場の強弱を感じ取ることが大切です。
(図2)図1からみたローソク足の組み合わせのパターン
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