11年6月中間決算見通しを発表、純利益は前年同期比200%以上増加へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00914 安徽海螺水泥(アンホイ・コンチ・セメント)  40.25 HKD
(07/14現在)
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アンホイ・コンチ・セメントは2011年6月中間決算(中国会計基準)で純利益が前年同期比200%以上増えるとの見通しを発表した。製品価格の上昇を追い風にEPSは1.02元に達するという。これはBOCIの当初通年EPS予想値の43%程度の水準。BOCIはこれまでの営業データと今回の業績見通しを踏まえ、同社の11-12年の1トン当たりの予想粗利益を5-8%引き上げ140-144元とした上で、予想純利益を5-11%上方修正し、140億-170億元に設定した。BOCIの利益予想値はコンセンサスを16-20%上回る水準にあり、10-13年の利益成長率は年間平均45%に達すると見込んでいる。11年 6月中間期については、純利益が前年同期比210%増の56億元(純利益率26.6%)と予想。これは通年予想利益の40%を占める水準で、同社の過去3年間の実績35%を上回る。また、11年上期の1トン当たりの平均販売価格と粗利益を、それぞれ前年同期比123%増の295元、同34%増の134元と予想。販売量は15%増の7100万トンになるとした。

11年下期は、10-12月期のピークシーズンに向け7-9月期も平均販売価格が堅調に推移するとみられる。過去3年間のデータによると、下期の平均販売価格は上期に比べて10%高く、1トン当たり粗利益は同28%増えている。

中国東部の豪雨の影響で江蘇省、浙江省、安徽省でセメントの需要および価格が低迷したが、供給も同様に制限されたことを踏まえ、BOCIは今後の値下がりは限定的とみている。セメント会社は雨期の間、交代で月に7-10日の生産中断措置を取ることができるが、この時期に設備の修繕や点検を実施するため通年の生産計画に影響はないという。

同社の株価はBOCIが調査を開始した5月後半以降、ベンチマークを上回る値動きを示している。今後もM&Aによる事業拡大や、社会保障性住宅などの公共投資の活発化といったポジティブなニュースが株価を押し上げる見通し。同社は6月に雲南壮郷水泥を5000万元で買収。また、インドネシアに日産3200トンの生産ラインを建設することで現地企業と覚書を締結している。インドネシアのプロジェクトは認可待ちの段階だが、インドネシア政府が関わるプロジェクトであることから承認される可能性は高いとみられる。インドネシアのセメント価格は高水準にあり、現在の価格と粗利益はそれぞれ1トン当たり130米ドル、50米ドル。これは同社の11年上期予想値の43米ドル、19.5米ドルを大幅に上回っている。

BOCIは同社の目標株価を1トン当たりの企業価値(EV/トン)、EV/EBITDA倍率、PERを基準に設定。目標値は業界平均に対し20%のプレミアム水準で、EV/トンが120米ドル、EV/EBITDA倍率が8.4倍、PERが11.3倍。BOCIは目標株価を11年予想PER15.5倍の48.00HKドルに上方修正。株価の先行きに強気見通しを継続した。