先週は、FOMCの利上げ決定も、逆に急激な円安受けて9日続伸

先週の予測では、先高感は強いが、FOMCの利上げ後の動きに注意が必要としました。又、先高期待は強いものの主要なテクニカル指標である騰落レシオや25日移動平均乖離率は今年の最高値を更新しており、過熱感が強いとしました。 結果的には、FOMCは利上げを決定し、これをきっかけに12月14日(水)のNYダウは▼118ドルの19,792ドルと反落、ただ為替がドルの急騰となったことで日本株式は続伸となり、さらにアメリカ市場はたった1日の下げのあとは、トランプラリーが再開しました。そのため日経平均は連日の上昇が続き、週末の16日(金)は△127円の19,401円と9日続伸(7日連続年初来高値)となって昨年の12月8日(火)以来、約1年ぶりの19,400円台を回復しました。

先週前半は、アメリカ株式の上昇や115円台の円安を背景に先高感から先物主導で上昇し、12日(月)は△158円の19,155円、13日(火)は△95円の19,250円と6日続伸しました。14日(水)は引け後のアメリカでのFOMCを控え、様子見から前場は▼15円と7日ぶり小反落しましたが、後場には切り返して△3円の19,253円と7日続伸となりました。

さて注目のFOMCは、金利0.25%の引き上げを決定、0.5%→0.75%となりました。同時に来年の金利見通しを従来の年2回から年3回の予想となったことで利上げベースの加速見通しが高まり、日米金利差拡大からドルが急騰し、1ドル=115円台→117円台となりました。アメリカ株式は下落となりNYダウは▼118ドルの19,792ドル、しかしシカゴ日経先物は円安を受けて△160円の19,340円となっていました。

15日(木)の日本市場は、FOMC結果の急激な円安を受けて△74円の19,327円で寄り付き△183円の19,436円まで上昇するものの、すぐにマイナスに転じ、前場は▼28円の19,226円でした。しかし日銀のETF買い観測から切り返し、終値では△20円の19,237円となって8日続伸で引けました。週末の16日(金)は前日のアメリカ市場がたった1日で切り返し、トランプラリーが再開したことで欧米株式が上昇し、為替は118円台後半の円安へと進んだことで、日経平均は△127円の19,401円と9日続伸(7日連続の年初来高値更新)で引けました。

 

今週は、海外勢クリスマス休暇で高値圏でのもみあいへ

今週は、先週までの買いの主体である海外投資家がクリスマス休暇に入ることで、日本市場への資金流入が減少して神経質な展開になることが想定されます。先週まではテクニカル指標の過熱感を無視して上昇を続けていましたが、上値では利益確定売りが重くなっています。その証拠として日足チャートをみると、先週の5日間のうち4日間では日足は陰線を形成しています。

現状ではテクニカルの過熱を無視した上昇ですが、為替の円安が進行するようなら2万円が視野にはいってくることになりそうです。先週末に南シナ海で中国がアメリカの無人潜水艦を没収(中国側はすぐに返還を約束)したことで、ドルが一時1円ほど急落しました。今回はトラブルとならなくても、今後の米中関係に不安を残します。

アメリカ株式は、1月効果という経験則があり、特に12月中旬から1月にかけて株価の上昇率が統計的に高いことが知られています。この流れにのって円安が継続すれば近々2万円達成となってきます。日本市場はこの3年間は年明けから急落というパターンですので、果たしてそうなるのかどうかということになります。どちらにしろ目先売買以外の人は投資する場面ではなく、ひたすら大きな調整を待つスタンスだと考えられます。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、12月13日(火)~14日(水)のFOMCの利上げを受けて相場が一服するのかどうか注目としました。ただし、下げてもトランプ政策への期待、円安基調、原油価格の上昇のためさらに上値を試すところとしました。

結果的に、FOMCは利上げを決定し、来年の金利見通しを年2回から3回へとしたことでドルが115円台→117円台まで買われ、日経平均にとってはプラス材料となり9日続伸(7日連続の年初来高値)の19,401円で引けました。

先週もテクニカル的な過熱感を無視して上昇が続き、外国人買いによる需給関係の強さが目立ちましたが、今週はクリスマス休暇から資金流入が減少しますので、相場のけん引力が主力株から中小型株へと移る可能性があります。ローソク足をみても先週の5日間は年初来高値更新ですが、そのうちの4日間は陰線を形成しており、上値では利益確定売りが多くなっていることを示しています。円安がそのまま継続すれば上値を追うことも想定されますが、そうでなければ高値圏でのもみあいとなりそうです。

12月19日(月)は、先週末のアメリカ株安と円の強含みを受けて▼55円の19,345円で寄り付き、一時▼94円の19,307円まで下げるものの、後場になると日銀のETF買い期待から下げ渋り▼9円の19,391円で引けました。出来高17億3,743万株、売買代金2兆1,437億円と大きく減少しました。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、12月13日(火)~14日(水)のFOMCが注目となるとし、すでに利上げを織り込んでいるため来年の利上げペースの具体的示唆がポイントになるとしました。目先は材料出尽しの可能性もありますが、チャートをみると2万ドルまではとりあえず期待できる形としました。

週始めは、トランプラリーが続く中、先高期待から株式市場への資金流入が続き12月13日(火)は翌日にFOMCを控えているものの△114ドルの19,911ドルと7日続伸となりました。12月14日(水)のFOMCは0.25%の金利引き上げを決定し、同時に来年度は年2回を年3回の利上げ予想となりました。

結果的にドルが115円台から117円台へ急騰し、NYダウは▼118ドルの19,792ドルと反落しました。しかし翌日の12月15日(木)はトランプラリーが再開し、△59ドルと上昇しました。週末は一服となりました。

今週はクリスマスを控えて売買高は減少し、トランプ政策期待と利益確定売りの間での高値圏のもみあい相場となりそうです。

NYダウ

 

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、12月13日(火)~14日(水)のFOMCでの利上げ実施で目先材料出尽しの可能性のある一方で、トランプ政策への期待からドル買い継続も考えられるとしました。

結果的には、FOMCの利上げは想定通りでしたが、来年の政策金利の見通しが年2回から3回となったことにより、日米金利差拡大期待から為替は1ドル=115円台から117円台へドルが急騰しました。さらに15日(木)のロンドン市場では118.76円までドルが買われました。その後、中国の米無人潜水艦没収報道から米中関係の悪化が懸念され、一時ドルが117円台半ばまで急落し、引けは117.98円でした。

今週は、南シナ海での中米対立が悪化しなければ、ドルは底堅い動きが続くことになりそうです。アメリカの来年度の金利先高予測が高まったことで、日米金利差拡大期待からドル買いが継続する可能性が高いと思われます。ただし、チャートをみてわかるように119~120円台はかなり大きな上値抵抗ゾーンとみることができます。117.5~119円のレンジを想定。

ドル/円