11年6月中間期に92%減益見通し、下期の鉄鉱石高騰と需要伸び悩みを予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00347 鞍鋼股フン有限公司(アンガン・スチール)  8.85 HKD
(07/11現在)
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アンガン・スチールはこのほど、2011年6月中間期の純利益が前年同期比92%減の約2億2,000万元にとどまる見通しを明らかにした。EPSも前年同期の0.38元から0.03元に大きく落ち込む見通しで、同社経営陣によれば、原材料および燃料コストの急増が最大の減益要因。BOCIはこれを受け、11-13年の予想EPSを7-58%の幅で下方修正した。

ただ、4-6月期の純利益は前四半期比110%増の1億4900万元に達する見通し。BOCIは鋼材価格が同期に前四半期比0-3%下落したことを指摘し、この点をサプライズとしている。経営陣によれば、コスト管理や製品構成の改善が4-6月期の業績を押し上げた理由という。また、7-9月期の製品値上げの余地は限られるとみられるものの、設備稼働率は93%の高水準を維持していることが明らかになり、製品価格が低水準にとどまる中で鋼材需要が堅調推移している現状をうかがわせた。BOCIは中間期について赤字あるいは採算すれすれのラインを見込んでいたが、同社が示した見通しはこれを上回る数字。ただ、BOCIは下期について、従来予想以上に経営環境が厳しさを増すとの見方を示し、その理由として鉄鉱石価格の高騰と川下需要の伸び悩みを指摘した。

鉄鋼情報サイトの易鋼資訊(Steelease)の調査によると、遼寧省の鉄鉱石鉱山では7月から新たな検査が始まる運びとなり、営業許可を持たない鉱山、あるいは環境負荷が高いとみられる鉱山がすべて一時操業停止となる可能性が出てきた。これにより、遼寧省、河北省の鉄鉱石価格はすでに1トン当たり20元値上がりしたという。一方、川下の鋼材需要は引き続き低調。自動車販売台数は今年上期に前年同期比わずか3.4%の伸びにとどまった。

BOCIは11-13年の粗利益率に関する想定値を9-11%から7-10%に引き下げ、これに伴い同社H株の予想EPSを7-58%下方修正した。新たな予想値は0.22-0.68HKドル。また、目標株価を引き下げ、同社株価の先行きに対する中立的な見方を継続している。