既存店売り上げ増と新規店舗の貢献で業績堅調を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00538 味千(中国)控股有限公司(アジセン・チャイナ)  14.24 HKD
(06/16現在)
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BOCIは既存店売上高の力強い伸びや新規店舗の貢献を理由に、味千(中国)の2011年6月中間決算の堅調を見込んでいる。中国国内の消費レベルのアップグレードや積極的な出店ペース、スケールメリットの拡大などが収益成長に寄与すると予想。また、ブランド食品・飲料分野の各銘柄に比べ、同社はインフレ圧力に対する抵抗力が強いとの見方を示した。また、同社株価が4月半ばの高値水準から調整したことに言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

中国本土、香港での既存店売り上げ伸び率(SSSG)は1-4月にそれぞれ推定10%台半ば、1桁台前半と、同社の通期予想(各8.7%、2.8%)を上回るペースを示したもようだ。平均販売価格が本土で11%、香港で3%上昇したことや、来客数の堅調な伸びが背景。BOCIはSSSGの好調や新店舗の寄与で、1-4月期の売上高が前年同期比30-35%増えたと推定している。上海万博効果を受けた前年同期実績の高さから、本土のSSSGが5月にやや減速した可能性を指摘しながらも、11年12月通期の予想増収率(前年比32-33%)は十分達成可能とみている。

本土の店舗総数は4月時点で昨年末比44店舗増となる515店。主要都市部を中心に、27省市90都市に店舗網を広げた。今年は新たに150店の出店を計画しており、うち3割をすでに開業、その他4割の出店契約を交わすなど順調。同社は向こう4年間で、店舗総数を1000に拡大する目標を掲げている。

同社は昨年3月に2-3%、11月以降に8-9%の値上げを実施した。この分の値上げ効果は11年通期にフルに寄与する運びとなり、1-3月期には平均販売価格が前年同期比11%上昇した。BOCIは4月-12月には価格上昇率が8%に縮小するとみている。食材調達コストは1-4月に平均約15%値上がりし、その大半は値上げで吸収したが、BOCIは11年上期の粗利益率が前年同期の69.2%から68.5-69.0%へやや低下すると予想。通期の粗利益率に関する想定値を69.1%から68.7%へ下方修正した。

同社は営業経費の抑制で成果を上げている。店舗賃料の対収入比率は百貨店などとの戦略的提携が奏功して1-4月に下向き、BOCIは11年、12年の対収入比率が13.3%、12.8%に低下すると予想。また、売上高の伸びを背景に、その他営業経費の対収入比率も段階的に下向くとみている。ほかに減価償却費比率が1-4月期にやや低下し、BOCIは11年通期の予想値を4.8%から4.7%に修正。一方、人件費比率は上向く見通しで、11年に18.8%、12年に19.0%、13年に19.1%に達すると予測。その他経費の対収入比率の低下を人件費の増大が打ち消すとみて、11年の純利益率の低下を見込んでいる。

BOCIは粗利益予想を引き下げる一方、予想営業費を減額修正。これに伴い11年、13年の予想純利益を0.5%、1.8%下方修正し、12年の予想純利益を1.3%上方修正した。