先週は、柴田罫線での予想通り直近高値をぬいて18,000~18,500円のレンジを上放れ

先週の予測では、柴田罫線ではすでに本格的な戻りのスタートが整ってきているとし(日経平均の柴田罫線を参照として説明)、柴田罫線の形からは直近高値の10月9日の18,438円、9月17日の18,468円を突破すると、次は19,000円に向かう動きが想定されるとしました。

結果的には、予想通りの動きとなり週半ばに18,000~18,500円のレンジを突破すると一服したあと週末は一気に18,900円台まで上昇し△389円の18,825円となり、この日の時間外取引では19,000円台を回復しました。

先週は、週始めは本格的な決算を前に利益確定売りが優勢となり、中国のGDP発表を見極めたいという動きもあり、19日(月)は▼160円の18,131円、20日(火)は△75円の18,207円と方向感のない展開となり売買代金も1兆8,235億円と4月6日の1.6兆円以来の低位水準でした。しかし21日(水)になると9月の貿易赤字が6カ月連続となると月末の日銀の追加緩和策への期待が高まり△341円の18,554円と18,000~18,500円のボックスを上にぬくと週末には前日のECB理事会でドラギ総裁が12月の量的緩和を示唆したことで欧米株式が大幅高となり、為替も1ドル=120円台後半となったことで一時△479円の18,915円まで上昇して△389円の18,825円で引けました。

23日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、中国人民銀行が政策金利と預金準備率を引き下げる追加緩和を発表したことで、前日のドラギ総裁の追加緩和示唆が引き続き好感され、又、テクノロジー関連の企業予想が好調だったことでNYダウは△157ドルの17,646ドル、ナスダックは△111Pの5,031Pと大幅続伸となりました。シカゴの日経先物も大証比△340円の19,140円と19,000円台を回復していました。

 

今週は、19,000円水準でのもみあいとなるかどうかに注目

アメリカの利上げ観測後退や日銀の月末の追加金融緩和観測の中で22日(木)にECB理事会でドラギ総裁が金融緩和について「必要なら行動する用意がある」と明言したことで12月の理事会で追加緩和策を打ち出す可能性が高まり欧米株式が大幅高となり、23日(金)の日経平均も△389円の18,825円となりました。さらに、この日、中国も政策金利と預金準備率を引き下げたことで世界的に金融緩和継続の期待が広がり世界的なリバウンド相場となってきました。

アメリカのFOMCが27日~28日に開催されますが、ここでの利上げの可能性はなく市場の見方は年内利上げ見送りという見方が強いもののFOMCの大半のメンバーは年内利上げを支持している(前回イエレン議長の発言)ということですので声明文の内容を見極める必要があり、一方的にアメリカ株式のリバウンド相場が継続するとも考えにくいところです。又、日銀が30日(金)の金融政策決定会合で今回も現状維持で追加の金融緩和を行わない(但し年内の追加金融緩和は根強い)という見方も半分は占めるようになっており、そうであれば今週は戻りが終わったあと一服する局面がでてくる可能性があります。

日経平均のチャートをみると、8月28日の19,192円の戻り高値がありこの水準には75日移動平均線(23日・19,163円)があります。目先的には、この水準がフシになるところです。この水準を突破すれば19,400円水準までは上昇の可能性がありますが、勢いづいて2万円水準に向かう急騰が続けば今回の上昇は、これで終わる可能性があります。急騰は急落となるケースが多いからです。現時点では19,000円水準でもみあったあと2万円に向かい、2万円水準でもみあえば年末相場で年初来高値の21,000円水準の期待もでてくることになります。為替も世界的な金融緩和の中でアメリカのみが近い将来の利上げが想定されていますので、日銀の追加緩和の可能性を考えると再びドル高・円安の基調となっていき日本株式にはプラスとなります。

本日は先週末の欧米株式の大幅続伸を受け、シカゴ日経先物が大証比△340円の19,140円となっていたことで△210円の19,036円で寄り付きましたが、上値は19,088円まで上昇し、前場は19,000円台前半でもみあいとなって△227円の19,052円で引けました。後場になると徐々に上昇幅を縮小し19,000円を割って△121円の18,947円で引けました。本日の売買代金は低水準であり買い戻し中心に上昇して戻り売りに押されて上げ幅縮小としうパターンです。今週は18,700~19,200円のレンジで下ブレしても18,500円水準ということになります。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、すでに柴田罫線の形では、上昇の材料待ちとし基本は18,000~18,500円のレンジの中で9月17日の18,468円を突破できれば、まずは18,700円台へとしました。

結果的には、9月17日の18,468円を突破してレンジを上にぬき好材料がでて週末は18,915円まで上昇して△389円の18,825円となりました。

週前半は、18,000~18,500円のレンジの前半での動きでしたが、10月21日(水)は特別材料らしい材料がない中、先物主導で戻りを試す動きとなり直近の高値である10月9日の18,438円を上にぬけると9月17日の18,468円もすぐに突破し、△347円の18,554円とレンジも突破しました。翌日の10月22日(木)は利益確定売りで▼118円の18,435円と反落するものの週末の10月23日(金)は前日にECBのドラギ総裁の12月の量的緩和示唆を好感し欧米株式が大幅高となったことを受け日経平均も△389円の18,825円で引けました。

今週は75日移動平均線(23日時点19,163円)と8月28日の19,192円をぬけなければ19,000円前後でのもみあいとなりそうです。相場環境は世界的な金融緩和継続期待がありますので、上値を目指すことになりますがほどよい調整がないまま急騰が続けば相場は早く終わりますので19,000円前後でもみあって次の上昇へ移れば2万円を目指すことになります。今週は30日(金)の日銀の金融政策決定会合が注目となります。これまで追加緩和が実施されるとの見方でしたが、現時点では現状維持の見方もでてきています。現状維持でいったん下落しても下値は限定的でむしろ買いの水準となると思われます。

10月26日(月)の前場は先週末の欧米株式の上昇を引き継いで△210円の19,036円と19,000円台を回復して始まるものの上値は重く前場は△227円の19,052円でした。後場になると徐々に上げ幅を縮小し19,000円を割って△121円の18,947円で引けました。今週の基本レンジは18,700~19,200円を想定。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、発表される企業決算や住宅関連指標の内容によって年内利上げ先送り観測が高まれば株式市場は上昇を継続する可能性があるとしました。

週半ばまでは、まちまちな企業決算を受けて方向感の定まらない動きでしたが10月22日(木)にはECBのドラギ総裁が12月の量的緩和を示唆したことで、NYダウは△320ドルの17,489ドルの大幅高となり、さらに週末の10月23日(金)は中国が政策金利と預金準備率を引き下げたことで、世界的な金融緩和の継続から△157ドルの17,646ドルの続伸となりました。

今週は、7-9月期決算のピークとなります。23日集計で決算発表企業の77%でEPSが予想を上回っていますが、中国経済の成長鈍化と原油を中心とする商品相場の急落でエネルギーや素材関連は業績が予想以上に悪化しているとの見方もあります。又、27~28日にFOMCがあり、ここでは利上げが決定される可能性はないもののFOMCの大半のメンバーが年内利上げを支持している(前回イエレン議長の発言)ことで、声明文から利上げの可能性を見極めることになります。以上を考えると先週のようにリバウンドがそのまま続くことは考えにくく(市場の見方はつづくという見方が多い)チャートの形からみても17,000ドル台からは上値が重くなると思われます。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、アメリカの企業決算や中国のGDPを見極め展開となり、年内利上げ観測が一段と後退すればドル売り・円買い、一方で日本の日銀の金融政策決定会合での追加緩和期待が高まれば円売り・ドル買いとなり、方向感がでにくく118~120円のレンジを想定しました。

結果的には、予想外に世界的な金融緩和の動きとなってドルが買われ週末は一気に1ドル=121円台までの動きとなりました。

10月19日の1ドル=119.14円をドルの安値にアメリカでの企業決算が好調なことからドルが買われる動きとなって10月21日(水)までは120円まで上昇しました。10月22日(木)になるとECB理事会でドラギ総裁が12月の量的緩和を示唆したことでユーロ売り・ドル買い、つれて円売り・ドル買いとなって120円台後半まで買われ、さらに10月23日(金)には中国が追加緩和を発表したことで、さらにドルが買われ121.4円で引け、一気に上にぬく形となりました。

今週は、アメリカでは7-9月期の企業決算のピークとなり、エネルギー、素材関連の業績は予想以上に悪化の見方もあり、又、日銀の10月30日(金)の追加緩和が現状維持という見方もでてきましたので、ドルの上昇も一服するところです。レンジは119~122円が想定されます。

ドル/円