11-13年予想利益を上方修正、バリュエーションは割高

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00506 中国食品有限公司(チャイナ・フーズ)  5.79 HKD
(05/25現在)
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BOCIは中国食品の経営陣とのミーティングで2011年1-4月の実績について説明を受けた。これを踏まえ、同社の業績予想を見直している。

販路再編の影響で10年に2.6%減収となったワイン部門は、今年1-4月の販売量も引き続き前年同期を下回っている。ただ、同期の粗利益率は製品構成の改善により3ポイント高、販売管理費率も前年同期に比べ改善しているという。BOCIは通年のワイン部門利益に関し、市場コンセンサスは楽観的でこれには至らないと指摘した上で、同部門の売上高とEBIT(金利・税引き前利益)予想値を引き下げた。同部門の販路再編は完了したものの、売り上げの回復には時間がかかる見通し。同社は契約販売代理店を現在の800店から1000店に増やす計画。高級ワインの売上比率は現在の40%から11年通年で45%、12年には48%、13年には50%への拡大を目指している。

飲料部門は原材料の高騰が今後影響を及ぼす見通し。安価に仕入れた原材料の在庫が底をつき、利益率の悪化が懸念される。砂糖の価格は現在1トン当たり7200元と前年同期比40%高、PET樹脂価格も同30-40%高に達している。コカ・コーラは11年5月より中国で販売するペットボトルの大きさを600mlから500mlに変更することで対応。これにより実質的に平均販売価格をおよそ10%引き上げた。BOCIは飲料部門の11年売上高を前年比19%増と予想。コスト増による粗利益率の低下は販管費率の改善で一部相殺される見通しで、飲料部門の貢献は予想を上回る可能性も示唆している。

食用油部門の11年1-4月売上高は前年同期比50%増。大幅増収は本業の順調な成長のほか、中国政府による11万トンの食用油支給が影響している。BOCIは同部門の11年増収率を前年比30%超に上方修正。食用油部門の利益貢献度は前年を上回るとみている。

製菓部門の11年1-4月売上高は前年同期比20%増。11年6月中間決算で同部門の赤字縮小が見込まれている。

BOCIは同社とのミーティングを踏まえ、ワイン部門の予想EBITを引き下げる一方、飲料、食用油、製菓部門の予想EBITを引き上げた。飲料、食用油、製菓部門の好調が、回復に手間取るワイン部門をカバーする見通し。11-13年の予想利益については、それぞれ16.5%、0.8%、1.0%引き上げたが、それでも市場コンセンサスに比べると5-20%低水準にある。株価の先行きは慎重の見方を維持。同社は持ち株会社としての性質上、業界平均に対してディスカウント水準で取引されるのが妥当とBOCIは判断するものの、現在の株価は12年予想PER22倍とセクター平均並みにあり過大評価されている。目標株価は、12年予想利益を基準に業界平均に対し10%のディスカウント水準のPER20倍に設定した結果、上方修正となった。