先週は、中国株式の再急落から世界同時株安へ

先週の予測では、アメリカの9月利上げ観測から上値は思いとし、柴田罫線でみるとNYダウのチャートは崩れており、日経平均も追随する可能性があるとしました。 柴田罫線では6月24日の20,952円、8月11日の20,946円とダブル天井の形をつくっており、8月12日の20,303円を終値で下回ると売転換になると同時にダブル天井が確定し、さらに昨年の10月17日の14,529円からの上昇トレンド(A)を切ってくることになると想定しました。その場合の下値は2万円を切ると19,700円台、その下は19,200円としています。

結果的に、先週は中国株式が再び大幅下落となり、中国の景気減速感が高まり世界経済の不透明感が増して、原油や銅などの商品価格が大幅下落となり、世界同時株安の動きとなりました。 日経平均は8月19日(水)は▼331円の20,222円となって売転換となりダブル天井を確定して、同時に上昇トレンド(A)を下に切りました。そして翌日の20日(木)は▼189円の20,033円となり、さらに週末の21日(金)は前日の欧米株式の大幅安と円高進行を受けて▼597円の19,435円と3カ月ぶりの安値となって19,500円を切って引けました。

21日(金)の日本市場の引け後のアメリカでは、中国ではPMIの予想を下回る結果を受け中国株式が一時-4.27%の大幅下落となり、原油価格も一時6年半ぶりの1ドル=40ドルを割る動きとなったことで、NYダウは▼530ドルの16,459ドルと1997年10月27日の(▼554ドル)に次ぐ過去9番目の下落幅となりました。 シカゴの日経先物は大証比▼460円の18,970円と19,000円を割っています。

7月29日(水)の日経平均のシナリオ(19,000~21,000円のボックスへ)の下限を下回る動きへ

先週のタイトルに「柴田罫線からみるとNYダウのチャートは崩れており、日経平均も追随する可能性」と書きました。私の想定では日経平均の下落は9月に入ってからだとみていましたが、予想よりも早く19,000円を試す動きとなりました。 先週の動きからみると結果的に予想が当たったということになりますが、相場は当てるものではなく(相場が当たった、外れたで投資をする限り最終的に敗者となるでしょう。バクチでは一時的な勝者となっても最後には敗者となります)確率で考えなければなりません。私は柴田罫線でNYダウのチャートからすでに相場が崩れていることを前提に考え、日経平均のみが独歩高で切ることはないとし、日経平均も柴田罫線のチャートの崩れ(短期上昇トレンドの崩れ)が出るのを待っていました。

そのため7月29日(水)のメッセージ〔出島式投資ワールドという有料サイト〕で日経平均の1つのシナリオとして19,000~21,000円のボックス相場を提示し、21,000円水準を試した後は19,000円水準を試しにくることを想定しました。 この中でNYダウが7月27日に17,440ドルで売転換となって3年近い上昇トレンドを下に切ったことで、さらに一段安となり次の下値ポイントは17,000ドルとしました。そして中国経済、アメリカの金利引き上げ問題が不透明な状況で、NYダウが本格調整となれば外国人に支えられている日本株式も大きな調整が必要となり、チャートの下値のフシをみると2万円を切ると、その下は19,737円、さらには19,115円があるとし、1つのシナリオとして19,000~21,000円のボックス相場入りとなる可能性があると想定しました。 その後の予測はこのシナリオに基づいて行ってきました。

今週は、安値圏での上下動で下値確認の動きへ

今週は、想定していた1つのシナリオ19,000~21,000円のボックスの下限を試す形となりますが、今回は下限に到達して直ぐに上限に向かって上昇するということにはならないと思われます。 それは現在の日本市場を取り巻く環境が、中国経済の減速懸念やアメリカの利上げの時期が不透明なままですので、自律反発の域を出ないことになります。特にNYダウの下値確認ができなければ日経平均のみが下値を確認して反発していくということはないでしょう。 現在のNYダウの下落は中国経済の減速以外に9月の金利引き上げを織り込んでいるという側面がありますから9月16日~17日のFOMCで金利引き上げが実施されれば、悪材料出尽くしとなってアメリカ株式は反発することになると考えられます。それまでの間に利上げの確実性が高まればNYダウはセリングクライマックスのような動きになって急反発のタイミングを迎えることになるでしょう。しかし利上げが遠のけば不透明感が残ったままですので日米ともに安値圏でのボックス相場のようになる可能性もあります。

本日は、19,000~21,000円のボックス相場を下回っても200日移動平均線(8月21日18,987円)もしくは、4月1日の安値18,927円が下値のメドとみていましたが、中国株式がさらに一段安となってきたことや為替が121円台前半の円高となっていることで日経平均は一段安となって18,498円まで下落し、終値は▼895円の18,540円で引けました。

日経平均の下値のメドは中国株式やNYダウの下げ止まりによりますが、今日の安値の18,500円水準かもしくは今晩のNYダウが大きく下げれば18,000円水準も想定しなければならないところです。ただし、日本株式に関しては売られすぎとなりますので、好業績銘柄の大きく下げているものを買っていくのはリスクがあまりないと思われます。当面は19,000~21,000円のボックス圏を大きく下に切ったので18,500円(もしくは18,000円)~20,000円のボックス相場となります。日経平均の中長期上昇トレンドは、現時点では変化ありません。

日経先物の現水準からの買い下がりは買いの水準(目先は19,000円台回復で利食い)と思われます。

 

 

(指標)日経平均

先週予測では、4-6月期の決算通過で国内的には手掛かり材料に欠け、アメリカの9月利上げを見極める動きとなり、上値は重い展開としました。柴田罫線では8月12日の安値20,303円を終値で切るとダブル天井を確定しての売転換となって、昨年の10月17日の14,529円からの上昇トレンド(A)を下に切ってくることになると想定しました。メッセージ〔出島式投資ワールドという有料サイト〕ではその場合は、下値は2万円を切ると19,700円台、その下は19,200円としています。

結果的に、8月19日(水)に中国株安を受けて▼331円の20,222円となって売転換となり、8月20日(木)は▼189円の20,033円、さらに8月21日(金)は世界同時株安を受けて▼597円の19,435円と一気に19,500円を割る展開となりました。すでにこの下ヒゲに関しては19,000~21,000円というボックス相場のシナリオをつくっており、この19,000円を試す動きとなりますが、当然行き過ぎからの下ブレの可能性もあります。

今週は19,000円水準を試す動きとなりますが、中国株式とアメリカの9月利上げ観測の確率が高まるか遠のくかで、NYダウの動きに左右されることになります。先週末のシカゴ先物が18,905円まで下げて18,970円となっており、200日移動平均線が18,987円、4月1日の安値が18,927円ですので、チャートの下値ゾーンとしては19,000円を切っても18,900~19,000円のどこかで止まる可能性があります。

しかし、本日の8月24日(月)は19,075円で寄り付いたあと、19,000円台を回復していましたが、11時ごろに中国株式が大幅下落となり(一時▼8%)、これを受けて円高進行したこともあり日経平均は一段安となって18,498円まで急落し、終値は▼895円の18,540円となりました。

今週は中国株式、NYダウが落ち着くまでは底値圏での上下動となりそうです。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、NYダウは早期の利上げ観測の実施か、それとも後退かの思惑からをみているものの、柴田罫線では、すでに上昇トレンドを下に切って下降トレンド(B)へ移行しており17,800~17,100ドルのレンジを想定しました。

結果的には、中国株式の再下落から中国景気の後退と世界経済の不透明性が高まり17,800~17,100ドルのレンジをアッサリ切って8月20日(木)は▼358ドルの16,990ドルと17,000ドルを割り込み、さらに週末の8月21日(金)は原油価格が6年半ぶりに一時1バレル=40ドルを切ったことも加わり▼530ドルの16,459ドルと4日連続の大幅下落となりました。

先週末のNYダウの下落は、中国株式の大幅下落を受け資源消費国である中国経済の減速で、世界的な商品相場の下落を加速させ(原油は6年半ぶりに一時40ドル割れ)、NYダウは▼530ドルの16,459ドルとなりました。しかし、この下落は9月の利上げを織り込む動きでのポジションの縮小との見方もあり、9月16日~17日でのFOMCで利上げが実施されるかどうかを見極める週となります。その確認ができるまでの間は安値圏でのもみあいとなり、もし9月のFOMCで実施されるようなら、そこに向かってセリングクライマックス的な動きになり、実施によって悪材料出尽くしとなって反発していくことになるでしょう。そうでなければ不透明なまま安値圏でのもみあいが続くことになります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、アメリカの9月利上げ実施を見極める展開になるとし、その確率が高まればドルが買われることになるが、逆に経済指標が予想を下回って早期利上げが後退したり、中国人民元が不安定ならば上値は重い展開になるとして123~126円のレンジを想定しました。

結果的に、中国株式が再び大きな下落となってきたことで、世界的な景気の不透明感が生まれ世界同時株安となって早期利上げ観測が後退し、ドルが売られる動きとなりました。

週末のアメリカ市場では、NYダウが▼530ドルの16,459ドルの大幅下落となり、ドルが121.82円まで売られ引け値は122.18円となりました。

今週は、ドル/円はもみあいとなりそうです。アメリカの4-6月期のGDP確定値がよければ9月利上げを裏付けるものとしてドルが買われ、逆に中国株式が下げるようであれば9月利上げが後退し、ドルが売られるという展開が考えられます。121~124円のレンジを想定。

ドル/円