11年度下期も収益成長持続へ、ブランド飲料部門のスピンオフを計画

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00904 中国緑色食品(控股)(チュウゴクリョクショクショクヒン)  6.70 HKD
(05/11現在)
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BOCIはこのほど中国緑色食品の経営陣とミーティングを行い、2011年度下期(10年11月-11年4月)決算が予想水準に達する見通しを示した。同社経営陣は11年4月通期の生鮮食品、加工食品、飲料部門の売り上げ伸び率が前年比15-20%、5-10%、80-100%となる見通しを示していたが、実際にこの水準を達成する見込み。また、各部門の粗利益率もほぼ年度上期並みのレベルを維持する可能性が高いという。

BOCIは飲料部門の11年4月通期の予想増収率を前年比75%から85%に上方修正した。健康飲料製品、特に「ミックス・グレイン・シリーズ」の販売好調が背景。同社は成都食品展でコーン飲料の再発売を行ったが、その後現在までに1億元の受注を確保したという。この新製品はすでに福建省のスーパーマーケットで売られており、今後は販売エリアを拡大する方針。小売価格は1パック当たり2.5-2.7元となっている。

中国国内では最近、生鮮野菜価格が下落しているが、同社経営陣はマイナス影響について言及していない。また、BOCIは今後、震災に見舞われた日本からの受注が増加するとみている。同社は計画通り生産増強を進めており、飲料部門、非飲料部門の年産能力は4月末にそれぞれ12万トン、58万トン。農耕地は10-15%拡大した。飲料部門の生産ラインは福建省泉州工場の設備拡張を受けて12本となったが、同社はこの先、湖北省、河北省に新規ライン5-6本を増設する計画を明らかにしている。

一方、同社はブランド飲料生産・流通・販売部門の再編とスピンオフ(分離上場)を計画していることを明らかにした。スピンオフに向けてアドバイスや支援を受ける目的で、すでに財務、税務、法律など各分野の専門家を招へいし、4大監査法人のうち1社が飲料部門の監査人となる見通しという。BOCIは同社本来の価値を明確化させるとして飲料部門のスピンオフ計画を前向きに評価している。同社はまた、経営、営業、内部管理などの評価・査定に当たる国際コンサルタントとしてデロイト・トウシュ・トーマツCPAを指名しており、この点もコーポレートガバナンス向上に寄与するとみている。

BOCIは飲料部門の予想増益率の上方修正などを反映させる形で、11年度、12年度、13年度の予想純利益をそれぞれ0.03%、0.4%、0.7%上方修正した。修正幅が小幅にとどまったことで目標株価(11年度予想PER15.0倍、12年度予想PER11.7倍)を現行水準に据え置き、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。