先週は、急激な円高で下げる局面あるものの、19,500円台の値固めの動き

先週の予測では、19,000円の大台乗せ後の動きはどうなるのかとし、チャート分析では約15年ぶりの高値更新となったことで上昇トレンド継続という見方もでき、テクニカル面では、騰落レシオは過熱圏にあるものの、25日移動平均線はピークまではまだ余裕があるため、更に上値を伸ばす可能性があるとしました。

上値のメドは2万円までフシ目らしいフシ目もなく、敢えて想定すれば昨年の12月8日の高値18,030円から今年の1月16日の安値16,592円までの「下げ幅の倍返し」の19,468円水準があるとしました。また、柴田罫線をみてみると19,500円~20,000円の間に昨年の10月17日の14,529円からの上昇トレンドの上値斜線にあたるところがあるため、19,500円からは上値が重くなると想定しています。それらを踏まえて、先週はFOMCを控えており、高値圏のもみあいとしました。

結果的に、先週は1週間で1.6%の上昇で6週連続の陽線となりました。週前半の17日(火)は19,480円の高値をつけて△190円の19,437円と上述した「下げ幅の倍返し」の19,468円水準で一服するかにみえましたが、翌日は19,500円台に乗せました。19日(木)は、前日のアメリカ市場での注目のFOMCでは「辛抱強く」の文言が削除されたものの、イエレン議長が会見で利上げを急がないという姿勢を表明したことでアメリカ株式は大幅上昇したものの、ドル売りが加速し一時119.3円までの円高となったことで、日経平均は一時▼231円の19,312円間で下落する場面がありました。しかし、押し目買いに支えられて▼67円の19,476円となりました。週末の20日(金)は、△83円の19,560円とわずかに高値を更新して引けました。1週間を通すと、急ピッチな上昇を警戒した売りも出ましたが、下げ幅は限定的でした。ただ、先物主導で値ガサ株中心に指数の上昇という側面が強く、20日(金)はファーストリテイリングだけで日経平均を52円上昇させています。

今週は、3月期末配当・権利取り、実質新年度入りで堅調か

今週は、26日(木)に3月期末配当・権利で実質新年度入りとなります。高値警戒感はあるものの、国内景気の回復期待や企業の株主還元策の拡大といった買い材料多く、下支えは日銀やGPIFに期待できるところから、26日(木)までは配当を目的とした買いも支えになり、堅調な動きが想定されます。

先週まで週足チャートでは9週連続の陽線(終値ベースでは6週連続上昇)となり強い相場が続いており、日経平均の2万円到達にあと500円程度に迫っていますが、すんなりいけるのかどうかに市場の注目が集まっています。柴田罫線のチャートをみてわかりますように、昨年の10月17日の14,529円からの短期の上昇トレンド(A)の上値斜線が2万円の手前でかぶさる形になっており、これまでの経験からそのまま2万円を一気に突破していくとは考えにくいところです。柴田罫線は週足に近い形ですので、日経平均の週足チャートの短期波動は黄信号がともってきているというところでしょう。この上昇トレンド(A)の中での今年の1月16日からの2段目の上昇率をみてみると、9週連続の陽線で17.9%の上昇率となっています。2万円近くまで上昇すると20%を超える上昇となるので、過去の例からは買われ過ぎとなってもおかしくありません。ただ言えることは、先のことは誰にもわかりませんが、例えここで大きな調整になったとしても、中長期でみると、現時点では2万円は通過点となる可能性が高いと思われます。

今のところ懸念材料としては、アメリカの景気の減速が意識されれば円高・ドル安となって日本株の重荷となり、ギリシャ債務問題が再燃すればリスク回避の円買いでやはり日本株の上値を重くすることになります。

本日は、配当狙いの買いや新年度入りで年金資金の流入期待も意識され、△47円の19,607円で寄り付いた後、一段高となって19,778円まで上昇し、終値では△194円の19,754円となりました。本日も日経平均に寄与度の高い銘柄が上昇しており、エーザイがストップ高で日経平均を60円近く押し上げています。このまま2万円に向かって上昇すれば目先注意が必要となります。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、現在の急上昇が続けば2万円も視野に入ってくるとし、依然先高観は高いものの急ピッチの上昇に高値警戒感も出てくるところであるため、高値圏でのもみあいになるとしました。

結果的に、19日(木)は前日のFOMCの結果を受けて急激な円高となったことで一時▼231円の19,312円まで下落するものの、終値は▼67円の19,476円となり、週末20日(金)は△83円の19,560円とわずかに高値更新となりました。1週間を通じると19,400~19,500円台の狭いレンジでのもみあいでした。

今週は、26日(木)が3月や9月の決算期の企業の権利付最終売買日にあたるため、配当目的の買いが入って堅調な動きが想定されます。過去の経験では、権利落ち後は一定期間調整しがちであるため、買い一巡後は上値が重くなる可能性があります。

週明け23日(月)は、先週末の欧米株式の大幅上昇を受けて△47円の19,607円で寄り付き、今週は26日の3月期決算に向けての配当狙いの買いや実質新年度入りで年金流入の期待もあることから19,778円まで上昇し、終値は△194円の19,754円となりました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、18日(水)のFOMCの声明文で、イエレン議長が利上げを巡る時期についてのコメント次第で上にも下にも動く可能性があるとしました。

結果的に、FOMCの「辛抱強く」の文言は削除されましたが(その場合はドル高・株安の可能性)、イエレン議長が会見で削除しても利上げに対して早急になることはないと利上げを急がない姿勢を示しました。そのため、ドル売りが加速して119.3円までのドル安・円高となり、NYダウは、18日(水)は△227ドルの18,076ドルと18,000ドルを回復しました。翌日の19日(木)は、反動安から▼117ドルの17,959ドルと反落しましたが、週末の20日(金)は△168ドルの18,127ドルとすぐに18,000ドル台を回復して引けました。

今週は、先週のFOMCの結果を受けて早期の利上げ観測が後退したことで株式市場が反発し、最高値までNYダウであと160ドル、ナスダックで22Pまで迫る水準となっていることで、最高値をこのまま更新できるかどうかが注目となります。経済指標の発表がよければ再び早期利上げ観測が台頭し、27日にはイエレン議長の講演も予定されているため、発言に注目となります。最高値圏でのもみあいが想定されます。上に抜ければ柴田罫線からは18,500ドル水準がフシとなります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、18日(水)のFOMCの結果次第でドルは上にも下にも振れやすいとし、想定レンジを120~122円としました。

結果的に、FOMC直前までは121円台の値動きが続いていましたが、18日(水)のFOMCでは「辛抱強く」の文言は削除されたもののイエレン議長が利上げを急がない姿勢を示し、また15年GDPの成長率を下方修正したことでドル売りが加速し、一時119.3円までのドル安・円高となりました。その後はドルが売られ過ぎから反発し、週末の20日(金)は120.06円で引けました。結果的には119~122円のレンジでの動きとなりました。

今週は月末と年度末が重なり、多くの国内の企業は既に手当を済ませ、市場参加者は少なく、材料によっては上下に振れやすい展開も想定されます。基本レンジは119~122円を想定。

ドル/円