11-13年の利益見通しを25%下方修正、鉄鉱石想定価格を引き上げ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00347 鞍鋼股フン有限公司(アンガン・スチール)  9.68 HKD
(05/04現在)
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BOCIはこのほど、アンガン・スチールの2011-13年の利益見通しを25-27%下方修正した。11年の鉄鉱石調達価格に関する想定値を5%上方修正し、1トン当たり965元(前年比30.0%高)に設定したことが背景。10年6月中間期の同社の鉄鉱石調価格は前年同期を24.6%上回る同923元だったが、この数字をベースに鉄鉱石相場の上昇を反映させた。その結果、11-13年の粗利益率に関する予想値を9.0-13.9%から7.8-11.1%に下方修正。BOCIが設定した11-12年予想純利益は、市場コンセンサス予想をおよそ13%下回る水準となっている。

主に自動車用、造船用などに用いられる鋼板需要について、BOCIは短期的に大幅に回復する可能性は低いとみている。国内の自動車販売はこのところ低調で、1-3月期の新車販売台数は前年同期比わずか8.1%の伸びにとどまった。昨年1-3月期の同71.8%増、昨年通年の前年比32.4%から大幅に減速したことになる。ただ、工業・情報化部によれば、中国政府はニューエネルギー車業界の育成に向けて11-20年に1000億元を投じる計画を策定しており、BOCIはこの計画が自動車業界の鉄鋼需要の鈍化をある程度緩和する可能性に言及している。一方、1-3月期には国内の家電販売も減速。カラーテレビ生産量は前年同期比12.4%落ち込み、昨年1-3月期の同9.9%の伸びとは対照的な数字を示した。また、洗濯機、冷蔵庫、フリーザーの生産台数も、1-3月期に同11.3-24.6%減少した。

BOCIは11年PBR(株価純資産倍率)1.1倍をあてはめる形で、同社の目標株価を下方修正。短期的な支援材料に欠けるとみて、同社株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。