先週は下値模索に入るも、週前半急落、後半急騰で下値確認終了

先週は、原油価格の動向をみながらの下値模索の可能性が高いとし、17,000円を守れなければ下値のメドは、10月17日の14,529円から12月8日の18,030円まで上昇幅の1/3押しの16,863円があるが、11月10日の安値16,713円が意識されることになるので、16,700~16,800円水準を下値のメドと考えておくところと想定しました。

但し、16日(火)に16,714円まで下がって▼344円の16,755円と急落してきたことで、もう一段の原油安があれば2つ目の買い場として、16,300円水準となれば格好の買い場になるというメッセージ(オフィス出島のサービス)を17日(水)に書きました。結局、終値ベースで16日の16,755円が安値で、想定していた16,700~16,800円にピタリと入り、急反発することになりました。

1週間でみると、週前半急落、週後半急騰というジェットコースターのような荒い相場となりました。週前半は、14日(日)の選挙は予想通り自民党圧勝となりましたが、既に織り込み済みで反応せず、原油価格の急落で欧米株安となり、又ロシアの中央銀行が大幅利上げを行ったことでルーブルが急落して世界経済の先行き不安が広がりました。これを受けて15日(月)は▼272円の17,099円、17日(火)は▼344円の16,755円の急落となりました。引け後の日経先物は夜間取引で16,400円台まで下げていました。

週の後半になると、17日(水)のFOMCで、現状の相場を考慮して利上げについては今後数回の会合では利上げを行わないとし、来年の4月以降に利上げをスタートすると示唆したことで、アメリカの金融政策の不透明感が解消されたとしてアメリカ株式は大幅高となりました。これを受けて18日(木)の日経平均は△390円の17,210円と急反発し、更に引け後のNYダウが△421ドルの17,778ドルと2011年12月20日以来約3年ぶりの大幅上昇となったことで、19日(金)の日経平均も△411円の17,621円と17,600円台を回復しました。12月8日の18,030円から12月17日の16,672円までの下げ幅(▼1,358円)の1/2戻しが17,351円、25日移動平均線が17,413円ですので、これを上回ったということは目先下値確認が終わったということになるでしょう。但し、先物主導での荒い動きとなっていますので、値動きが落ち着くところを待つところでしょう。

 

今週は出来高も細り、もみあい相場の可能性

今回の10月17日の14,529円から12月8日の18,030円までの上昇は、日銀の予想外の追加の緩和策によって急激な円安進行となって先物主導で輸出関連の主力株中心に上昇したものであり、相場全体が底上げした上昇ではありませんでした。本来ならば、18,000円台に回復したところでもみあいとなって出遅れ株が水準訂正し、その後の大きな調整に入るというところでしたが、原油安やロシアのルーブルの急落をきっかけに水準訂正が起こる前に日経平均の指数が急落してしまいました。しかし、全体相場が高いところまで買われていないために全面安が続く状況とはならず、日経平均の指数の上昇幅の1/3押しのところから急反発したということになりました。日経平均のEPS(一株当り利益)が12月になって上昇していることも相場の下支えとなったようです。

今週は、原油価格の動向をみながらの展開となります。海外勢はクリスマス休暇に入るので商いが細りやすいなか、短期筋の売買で指数は振れやすいことも考えられます。需給関係からは「NISAの購入枠を使い切るための個人投資家の買いが見込める」という見方や、26日に受け渡しベースの新年入りとなるため税金対策の売りはなくなり、年末に向けた株高が期待されるという見方があります。

先週は、FOMCで今後の金融政策の不透明感が解消されたことで当面はアメリカ株式の堅調な動きが想定され、日経平均もサポートされて堅調な動きが想定されるところです。但し、日経平均がどんどん上昇していくというより、アベノミクス関連銘柄を中心に出遅れ銘柄の水準訂正が考えられます。

本日22日(月)の動きをみると、海外情勢の落ち着きから続伸して始まるものの、明日に休日を控えていることや先週末に急反発した反動で、戻り売りが出て伸び悩む動きとなっています。アメリカの25日はクリスマスで休日ですので、今週は上値追いには慎重となりそうです。悪材料が出なければ、下値は25日移動平均線の17,413円、その下は1/2戻し水準の17,351円というところです。前場は△64円の17,685円で寄り付くものの、戻り売りに押されて先週末比ほぼ変わらずとなり、後場になるとマイナス圏の動きが続きましたが、大引けにかけて値を戻し△13円の17,635円の4日続伸となりました。しかし、出来高・売買代金は減少してきました。

 

 

(指標)日経平均

先週の予想では、基本的には原油価格次第の動きであり、原油価格が下落すれば週間を通じて下値模索になることを想定しました。結果的には週前半急落、後半急騰という荒い動きとなりました。

原油価格の急落が続いたことで欧米株安となり、ロシアの中銀の大幅利上げからルーブルが急落し世界経済への先行き不安が広がって、16日(水)は▼344円の16,755円の大幅下落となって17,000円のフシを割り込みました。しかし17日(木)のFOMC声明で、利上げは慎重に行うことが示されるとNYダウが急反発となり、日経平均もこれに合わせて連日の急騰となって、週末の19日(金)は△411円の17,621円で引けました。12月8日の18,030円から12月17日の16,672円までの下げ幅の半値戻しが17,351円ですので、これを上回ったということは下値を確認し、全値戻しの動きを目指す可能性が高くなったと考えられます。

先週は先物主導で週前半の2日間で616円上昇後、17日からの3日間で866円上昇し、荒い値動きとなっています。海外ではクリスマス休暇入りで外国人投資家の取引が薄くなり、そのため大口の売買があると乱高下する可能性もあります。

今週は、日米ともに休日をはさんでおり、特に海外投資家はクリスマス休暇に入って商いが細ってきていますので、悪材料が出なければ25日移動平均線(17,413円)を下値にもみ合いが続くことになります。週明け22日(月)は、△64円で寄り付いたもののマイナス圏のもみあいが続き、大引けにかけて持ち直して△13円の17,635円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予想では、原油価格の動きやFOMCをにらんでの動きの荒い展開が予想されるとしました。特にFOMC声明で、実質ゼロ金利解除まで「相当な期間」がかかるとしている文言を修正するかどうかが注目としました。

結果的に、週初めは原油安に歯止めがかからず又ロシアの通貨ルーブルの急落を嫌気して、16日(火)には▼111ドルの17,068ドルまで下げました。しかし、17日(木)のFOMC声明で「金利正常化まで辛抱強くなれる」と修正し、2015年4月以降の利上げを示唆したことで今後の金融政策の不透明性が解消され、△288ドルの17,356ドルと反発し、更に18日(木)は△421ドルの17,778ドルと3年ぶりの大幅上昇となりました。週末の19日(金)は17,874ドルまで上昇して△26ドルの17,804ドルと3日続伸で引けました。

今週は25日(木)がクリスマス休場であり年末休暇に入る投資家も多く、週を通じて閑散取引となりそうです。原油が波乱要因ですが、現状の1バレル=55~60ドル水準で落ち着いていれば高値圏でもみあう展開となりそうです。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予想では、注目するイベントが多く振れ幅の大きい展開が想定されるとし、特に原油価格の動きとFOMCの声明に注目としました。

結果的に、週前半は原油価格の急落、ロシア中銀の大幅利上げからのルーブルの急落でリスク回避の円買いから16日(火)には1ドル=115.57円まで円が急騰しました。しかし、17日(木)のFOMCのフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)で2015年4月以降の利上げを示唆し、今後2回のFOMCでは利上げはないと市場に配慮したものとなったことでドルが買い直され、将来の日米金利差の拡大を意識したドル買いもあって、週末の19日(金)は119.62円までのドル高・円安となりました。

今週は、原油価格の動向には注意する必要がありますが、FOMCで来年の4月以降の利上げが示唆されたことで日米金利差が拡大していくことを改めて意識した投資家が多く、円売り・ドル買いの基調は続くことになります。118~120円のレンジを想定。

ドル/円