1-3月期決算は23%減益、本業の収益性を前向きに評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00753 中国国際航空股フン有限公司(エアチャイナ)  8.08 HKD
(04/29現在)
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中国国際航空の2011年1-3月期決算(中国会計基準)は、純利益が前年同期比23.0%減の16億7100万元だった。深セン航空の吸収合併や国内線部門の高イールドを背景に、売上高は同44.6%増の212億5100万元に達したが、原油高や各種コスト圧力の増大が同期利益を圧迫した。営業コストは48.0%膨らみ、マーケティング費、管理費もそれぞれ55.0%増、53.2%増。一方、5億4300万元に上る為替差益の計上を受け、財務収支は2億7300万元の黒字に転換した(前年同期は2億3100万の赤字)。同期の営業利益は11.5%減の22億4800万元にとどまったが、BOCIは同期の評価益が89.9%急減した点を指摘。この要因を除外した場合、34%の営業増益を達成したと推定している。

BOCIは1-3月期利益が予想を上回ったとし、11年、12年通期の予想EPS(全面希薄化後)をそれぞれ0.905元、0.753元に修正した。11年通期にはおよそ30億元の為替差益を計上すると予測している。また、SOTP(Sum-of-the-Parts)方式に基づいて目標株価を引き下げ、同社株価の先行きに対する従来の強気見通しを中立的に変更した。

同社の輸送量伸び率は比較対象となる前年実績の高さを背景に年初からスローダウンしている。ただ、国内の航空各社は協調して輸送能力の調整を実施しており、同社は過去最高水準にある旅客および貨物部門のロードファクターを維持した(1-3月期のロードファクターは旅客部門が79.4%、貨物部門が56.2%)。航空運賃も堅調で、同期に過去最高レベルを達成した。一方、燃油コストは約70%増大しているが、BOCIは今後も燃油サーチャージの調整を通じて燃油コスト増を吸収できるとの見方。航空需要の伸び率減速や国内のインフレ圧力にもかかわらず、同社の1-3月期の収益性を前向きに評価している。

原油相場の反落や人民元相場の上昇はこの先、同社株価の主な支援材料となる見込み。ただ、BOCIは中国国内での相次ぐ高速鉄道の開通が航空銘柄全般の株価の重しになるとの見方。航空業界への影響がある程度明確になるまで、航空銘柄のバリューエーションの反発には期待しにくいとみている。