11年1-3月決算は25%増益、精製部門の損失を他部門がカバー

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00386 中国石油化工(チャイナ・ペトロリアム・アンド・ケミカル)  7.84 HKD
(04/29現在)
 株価
 企業情報
 チャート

シノペックの2011年1-3月期決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比25%増の206億元。BOCIの通年予想利益の25.7%に達した。石油探査・生産部門のみが業績をけん引していた以前と違い、当期は石油販売部門および石油化学製品も大幅増益で貢献した。

部門別営業利益をみると、探査・生産部門は前年同期比14%増の131億元。石油実勢販売価格が同25%高に高騰し、原油生産量が6%減に落ち込んだ影響を相殺した。石油販売部門は41%増の92億元。石油販売量が前年同期を20%上回った上に、ガソリンスタンドの非石油製品売り上げが伸び、効率性も改善した。

石油化学部門の営業利益は93億元と前年同期比64%の大幅増益。各種石油化学製品の生産量が増加したのに加え、営業利益率が前年同期の7.8%から9.2%に改善。石油化学業界が循環的な上昇局面に入り業績を後押しした。

一方、石油精製部門は6億元の営業損失を計上。前年同期は15億元の営業黒字だった。原油相場が高騰する中、中国政府当局による石油精製製品値上げのタイミングが遅れたことが影響。ただ、同部門の損失はその他3部門の好業績がカバーする結果となった。

BOCIは、4月初めの石油精製製品の値上げ幅が原油相場に追いついていないとみて、4-6月期は1-3月期に比べて減益になると予想。国内メディアが報じた同社の傅成玉・新会長の「現在の価格水準は精製部門で1バレル当たり20米ドルの損失を招く」とするコメントは、現実に近いものとみられる。

BOCIは同社の業績予想を現在のところ据え置くが、近々行う原油価格の想定値見直しに併せて再考する方針。予想利益が下方修正となる可能性は高いものの、株価の先行きについてはバリュエーションの低さを踏まえて強気見通しを継続している。