2011年1-3月期決算は18%増益、石炭相場上昇の恩恵を享受

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01171 エン州煤業(イエンチョウ・コール・マイニング)  30.25 HKD
(04/27現在)
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エン州煤業が発表した2011年1-3月期決算は、純利益が前年同期比18%増の24億7600万元(中国会計基準)。為替差益を除いたコア利益は同29%増(BOCI試算)と、ほぼ予想通りの水準だった。

石炭相場の上昇が利益をけん引。特にオーストラリア子会社ヤンコール・オーストラリアが販売した石炭の実勢平均販売価格は前年同期比54%高に達した。全体の平均販売価格は同18%高。販売量も前年同期を16%上回る1205万トンに増加。外部からの調達分を除いた自社生産分は同10%増の1125万トンだった。オーストラリアを除く炭鉱で単位生産コストが増したものの、2つの小規模炭鉱以外は販売価格の上昇がコスト増加分を上回った。

BOCIは同社の4-6月期の業績について、1-3月期を超える利益水準を予想。自社生産分の23%を販売するオーストラリア子会社が4-6月期に高い契約価格を締結していることから平均販売価格の上昇が見込まれるため。また中国国内市場においては、契約販売の割合が自社生産販売分の19%と低く、スポット相場上昇の恩恵を受ける見通し。

同社はまた、1-3月期決算報告において11年上期(中国会計基準)の利益が前年同期比80%超の47億3900万元に達するとの見通しを示した。BOCIはこの数値について、10年の上期利益には為替差損10億6000万元が含まれているものの、11年上期は4月26日の為替レートから判断すると10億元の為替差益が見込める点を指摘し、控えめと判断している。

同社は炭鉱の買収を積極的に推進している。先ごろ内モンゴル自治区にある内蒙古昊盛煤業有限公司の権益10%を13億1000万元で取得することで2社と合意。昨年末にすでに51%を買収しているため古昊盛煤業への出資比率は61%に上昇する。古昊盛煤業は15年までに年産1000万トン規模の炭鉱を開発する計画。

BOCIは1-3月期の実績を業績予想モデルに当てはめ、11-13年の予想利益を1-4%引き上げた。予想値は13年に完成予定の年産500万トンの炭鉱を考慮していない。同社にはこのほか、オーストラリア事業をスピンオフする計画や新たな炭鉱買収計画などがあり、事業の進捗に応じて今後予想値が変化するとみられる。

BOCIは目標株価を11年予想PER12倍に基づいて引き上げ、株価の先行きを強気見通しに維持している。