2011年1-3月期は5.4%増益、4-6月期よりスマートフォンの供給を拡大

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00941 中国移動(チャイナ・モバイル)  78.75 HKD
(04/26現在)
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チャイナ・モバイルは先に2011年1-3月期決算を発表した。売上高は前年同期比8.1%増の1180億元、ARPU(加入者1人当たりの月間収入)は67元。これらはBOCIの予想に沿っていたが、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)および純利益はそれぞれ前年同期を5.3%、5.4%上回る581億元、269億元と、BOCIの予想値を2%程度上回った。加入者数の大幅な伸びに対して端末補助金などの販売・マーケティング費用がさほど増えずコストが抑えられている。

今後の見通し:

  • 同社は中国独自の3G規格であるTD-SCDMA対応端末調達の第2期入札を実施。最新型のインターネット対応スマートフォン150万台、マルチメディアスマートフォン320万台、エンタテインメント型スマートフォン400万台、エントリーモデル320万台を含む合計1220万台を調達し、4-6月期より加入者への提供を開始する方針。
  • 1-3月期のEBITDAマージンはBOCIの通年予想を1.7ポイント上回る49.1%に達したが、4-6月期は端末調達コストがかさみ47.6%に低下するとBOCIは予想している。ただ同社経営陣がスマートフォンの調達を増やしながらも売上高に対する端末補助金の割合は前年並みとしているため、EBITDAが予想よりも高くなる可能性もBOCIは指摘した。
  • チャイナ・テレコム(00728)やチャイナ・ユニコム(00762)などの競合が狙うハイエンドユーザーの定着率を高めるため、同社はTD-SCDMA端末の調達量拡大と2Gネットワークの拡充を通じ、2Gおよび3Gのデータ通信サービスの改良を積極的に推進している。競合他社は3Gへの設備投資を大幅に増やさない限り、チャイナ・モバイルのハイエンドユーザーの奪取は厳しい状況。
  • スマートフォンの利用拡大によるデータ通信サービスの貢献と季節的な要因により、4-6月期以降のARPUは70元超を維持する見通し。

バリュエーション:

  • BOCIは、同社の株価見通しを強気の見方に据え置いている。成長性は比較的低いものの、現段階において値下がりリスクは限定的。優良ディフェンシブ銘柄として推奨している。