昨年11月のアメリカ大統領選挙を境に、日本株は見違えるような動きとなりました。これを「バブル」と呼ぶ人もいるようですが、資産形成に「バブル」は大いに利用すべきです。筆者が実践する手法をご紹介しつつ、どのようにバブル相場を活用するのが良いのかを考えていきたいと思います。

株価がほとんど調整せずに上昇を続けた2カ月間

明けましておめでとうございます。2017年も、個人投資家の皆様に役立つ知識・情報の提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利した当日こそ急落に見舞われた日本株でしたが、翌11月10日(木)以降は非常に強い動きが続いています。昨年11月10日(木)から本コラム執筆日(1月9日(月))までの2カ月間、日経平均株価はほとんど調整らしい調整を入れずに上昇を続けています。その結果、日経平均株価は11月10日(木)以降の2カ月間、一度も25日移動平均線を割り込まずに推移しています。すなわち、日本株はアメリカ大統領選挙後、上昇トレンドがずっと続いているということです。

個別銘柄の株価チャートをみても、同様に株価が25日移動平均線の上方で推移している銘柄が数多くあります。

強い動きがどこまで続くのか不安に思う投資家も多いが・・・

一方、トランプ氏勝利後のこの2カ月の間、世界経済や日本経済が劇的に良くなったという話は聞きません。各種指標からは多少は上向いているようにも見えますが、特に日本については、相変わらず停滞感が漂っています。

そのため、特にファンダメンタルを重視する投資家や専門家からは、「足元の日本株の好調な動きはバブル性の一過性のものに過ぎない」と評価されているようです。

ではいつ株価にとって転機が訪れるのでしょうか。よく言われるのが、実際にトランプ氏が大統領に就任し、具体的にどのような政策を掲げるのかがはっきりするまでは株価は堅調に推移しそうだ、という予測です。

トランプ氏の大統領就任後は、世界経済にとって好ましくない政策が表面化することにより、「理想」から「現実」に引き戻される結果、株価は下落に転じると予想する人が多いようです。すでに、トヨタ自動車を名指しにして、メキシコの新工場建設中止を要求するなど、過激な政策が少しずつ垣間見えるようにもなってきています。

株式投資で資産形成したいのなら「バブル」は絶対に利用すべき

もちろん、これはあくまでも「予想」に過ぎませんからどうなるかは実際のところ不明です。多くの投資家や専門家の予想通り、大統領就任を境に株価が大きく下がるかもしれませんし、予想が外れて全く下がらないかも知れません。

でも、筆者はここからファンダメンタルを無視して本格的なバブル相場に突入する可能性は大いにあると思っています。その根拠としている各種データは次回以降のコラムでご紹介する予定です。

「バブル」の定義は色々あるでしょうが、筆者のいうバブルとは、経済の実態からは到底説明できないほどの株価の大きな上昇ととらえています。

多くの投資家にとって、「バブル」とは危険なものという印象が植えつけられているようですが、それはバブル崩壊により大きな損失を被った人が大勢いるからです。

でも、彼らがなぜ大きな損失を被ったかといえば、単にバブル相場の対応法を誤っていただけに過ぎません。バブル相場を上手に利用すれば、個人投資家であっても自らの資産を大きく増やすことができます。

「バブル相場」で20%の利益で売ってしまっては勿体ない

個人投資家がバブル相場で失敗したと感じる理由は、大きく分けて2種類あります。1つは「利益をあまり上げることができなかった」、もう1つは「大きな損失(もしくは含み損)を被ってしまった」というものです。ですから、この2つの失敗を避けるように行動すればよいのです。

まず1つ目の失敗理由についてですが、筆者の周りの個人投資家も、買値の20%程度の利益で満足して売ってしまうという方が非常に多いです。持ち続けていると結局株価が元に戻って最終的には損失に転じてしまうのではないか、という恐怖心が根底にあるようです。

でも、バブル相場で株価が何倍にもなる可能性もあるのに、買値の20%の利益で売ってしまってはもったいないです。できるだけ利益を伸ばした上で売却したいものです。

ではどうすれば途中で売りたくなる気持ちを我慢して利益を伸ばすことができるか、その1つの方法が、筆者が常日頃から実践している「株価トレンド分析」です。

「株価トレンド分析」はバブル相場に最適な投資手法

「株価トレンド分析」は、株価のトレンドが長期間続く相場であればあるほど効果を発揮します。

冒頭で説明した日経平均株価もそうですが、バブル相場では多くの個別銘柄の株価が長期間にわたって上昇し続けます。すなわち、上昇トレンドが長く続くということを意味します。

そこで、上昇トレンドの間(具体的には株価が25日移動平均線より上にある間)は、株価がいくら上昇しても売却せずに保有を続けます。その結果、買値から50%とか2倍以上に上昇したタイミングで保有株を売却することが可能となります。

もちろん、短期間で株価が2倍、3倍と急騰した場合は、その後の反落も大きくなる傾向がありますので、上昇トレンドであっても保有株の一部を売却しておき、利益をしっかりと確保しておく方がよいでしょう。

ルールを決めて守れば大きな損失も回避できる

もう1つの失敗理由である「大きな損失(もしくは含み損)を被ってしまった」というものも、実はしっかりとルールを決め、それを守ることで大部分を回避することができます。

筆者は、株価が25日移動平均線より10%以上上方にかい離している銘柄については新規買いをしないというルールを設けています。それに加え、25日移動平均線を割り込んだら損切りを実行することにしています。

これにより、「高値掴み」を防ぐとともに、損失が大きくなる前に損切りを実行することで、多額の損失を回避することができるのです。

「高値掴みをしないで買う」→「上昇トレンドが続く限り保有を継続する」→「株価が25日移動平均線を割り込んだら速やかに保有株を売却する」、たったこれだけのシンプルな方法で、バブル相場にも十分に対応できるのが「株価トレンド分析」をもとにした筆者の手法です。バブル相場を有効に活用したいという個人投資家の方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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