4月19日
商業物件デベロッパーのバリュエーションが上向きに
不動産取引が4月の初めから不安定な動きを示している。全体的には、購入規制のある都市部で低調だった一方、規制の緩い2-3級都市では比較的活発な取引がみられ、政府の引き締め策が引き続き不動産市場を左右する展開だった。こうした状況下、購入制限のない商用物件を扱う銘柄でレーティングの見直しが進むとBOCIはみている。
2011年第1四半期の不動産取引実績をみると、デベロッパーが全国各地で新規の物件開発を大幅に減らしたものの、物件取引面積は前年同期を上回り、価格面でも調整がみられなかった。開発用地の売買が前年に比べて激減したが、取引価格は商業用地が値上がりするなど堅調に推移。ただ、政府の信用引き締め策により中国市場全体で資金の流動性が急速に低下する中、資金調達が厳しさを増している。
政策動向:
◇この2週間で中国人民銀行は経済指標の発表に続き、金利と預金準備率の追加引き上げを相次いで明らかにした◇国務院が各地域の不動産市場を調査した結果、 陝西省西安市が初めて物件価格抑制目標の引き下げ対象となった◇住宅・都市農村建設部が、不動産規制に関する一般からの意見の重要性を繰り返し強調。社会保障性住宅の建設を引き続き重視する意向を示した。
企業動向:
上場デベロッパー各社が11年第1四半期の販売実績を発表。上位5社の市場シェアは9.96%に大幅に拡大した。
市場動向:
BOCIが調査対象としている主要17都市の不動産取引面積は、4月4-10日の週が前週比36.3%減の151万7000平方メートル、11-17日の週が同27.5%増の193万5000平方メートルだった。11-17日の週は山東省青島市と福建省厦門市で最大の伸びを示した。
BOCIは、商業物件デベロッパーが今年の不動産セクターをけん引するとの見方を維持。市場ではBOCIの予想に即し商業物件を扱う銘柄に高いバリュエーションが付き始めている。商業物件銘柄の値上がりを見越し、BOCIは投資家に買いを推奨。大手の上海世茂(600823)、広東海印集団(000861)、金融街控股(000402)、魯商置業(600223)、招商局地産(000024)を推奨。また、湖北福星科技(000926)、北京金隅(02009)、栄盛房地産発展(002146)、江蘇中南建設集団(000961)など、3級都市で政府の低価格住宅建設推進の恩恵を受ける銘柄についても注目に値するとしている。
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