11年1-3月期決算は営業利益が55%増、利益率の下落も予想通り

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00688 中国海外発展(チャイナ・オーバーシーズ・ランド・アンド・インベストメント)  15.56 HKD
(04/20現在)
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中国海外発展が発表した2011年第1四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比67.8%増の101億6000万HKドル、営業利益が同54.9%増の37億8000万HKドルだった。これらはそれぞれBOCIの11年通年予想値の20%、18%の水準。営業利益率はBOCIの予想に即し、過去最高だった前年同期の40%から37%に低下。同社の利益率および物件の平均販売価格は10年をピークに下降が見込まれている。

同期の不動産販売額は197億7000億HKドル、販売面積は140万平方メートルだった。販売面積は通年目標値(630万平方メートル)の22%という結果だったが、前年同期も同様の販売ペースであった点と過去の実績を踏まえ、同社が通年目標を達成するものとBOCIは判断している。

しかしながら、BOCIは目標値のおよそ28%が渤海沿岸地域および中国北部の物件によるものとみられる点を挙げ、これらの地域で今後大量の物件供給と政府の引き締め強化が見込まれる点に言及。BOCIは物件価格への影響を懸念し、同社の通年平均販売額が前年比17%減少すると予想している。

中国海外発展の株価は現在、11年予想NAVに対して14.3%のディスカウント水準で取引されている。BOCIは、同社がそのブランドネームと事業地域の多様性で現在の難局を切り抜けるものとみてバリュエーションを妥当と判断するが、その一方で保有地の47%が中国北部に位置しており、そのうち18.2%は平均販売価格が1平方メートル当たり5000-5500元と低水準にある瀋陽に集中している点を不安視。さらに、天津、瀋陽、長春をはじめとする北部の多くの都市で今後物件の供給過多が見込まれることから販売価格は抑制される可能性が高く、利益率への影響を懸念した。これらの要因を踏まえ、BOCIは同社の株価見通しを中立の見方に据え置いている。