10-12年に年率40%の増益を予想、銅供給ひっ迫や製錬費高騰が追い風に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00358 江西銅業(チアンシー・コッパー)  25.80 HKD
(04/20現在)
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BOCIは江西銅業の2010-12年の利益成長率が年率40%に達する見通しや良好なファンダメンタルズを指摘し、同社株価の先行きに対して強気の見方を示した。既存鉱山における生産量の伸びや海外プロジェクトの貢献を背景に、銅精鉱の内部需給率が現在の19%から14年には34%に上向くと予想。海外ではアフガニスタンのAynakおよびペルー北部の銅鉱山が14年に収益貢献を開始する見通しを示した。さらに、日本の震災を機に、TC/RC(溶錬費/製錬費)スポット価格が1トン当たり60-80米ドルから120-150米ドルへ急伸したことに言及し、同社の今年下期のTC/RC契約価格が上期の1トン当たり約56米ドル(10年通期比で22%高)からさらに上向くと予測している。

国際銅研究会(ICSG)によると、世界的な精錬銅供給のひっ迫は少なくとも向こう2年間にわたって続く見込み。需要に対する生産量の不足分は昨年25万2,000トンで、今年は37万7,000トン、来年27万9,000トンと推移する見通しという。特に供給ひっ迫感が強いとみられるアジア域内では、今年、来年の不足量が390万トン、380万トンに上るとの予測値が示されている。

またICSGによれば、新規開発プロジェクトの進ちょくの遅れや技術上のトラブル、さらにチリやペルーでの政情不安などを受け、10-14年に操業開始を予定していた新規生産力の71%相当が、13-14年にずれ込む見通しとなった。この点が向こう2年間にわたる供給ひっ迫の一因になるという。ICSGは精製銅の供給不足が12年以降に解消に向かうとの見方だが、BOCIは13-14年まで続く可能性を指摘している。

短期的には中国の信用引き締めが銅需要および国際相場に影響する可能性もあるが、BOCIは今年のLME(ロンドン金属取引所)銅先物および中国国内価格に関する想定値を1トン当たり9000米ドル、7万506元に設定した。この数字は年初からこれまでの平均値(LME先物9,600米ドル、国内価格7万1400元)に比べて控えめな水準で、国内の信用引き締めによる影響は織り込み済みであるとしている。

中国の精錬銅の見掛け消費(精錬銅生産量+純輸入量+在庫変動)が2月に前年同月比9%減少したことで、川下需要の減速を警戒する声も上がったが、BOCIは楽観的。この先、見掛け消費が増加に転じる見通しを示した。

BOCIが設定した同社の11-13年の予想EPSは2.46元、2.82元、2.67元と、市場コンセンサス予想を2%、10%、18%上回る水準。11年については銅価格の上昇や銅精鉱の自給率向上、TC/RCの値上がりなどを理由に前年比71%の大幅増益を予測した。また、12年には銅精鉱自給率が21%から25%に上昇し、利益成長を支えるとの見方。13年に関しては銅価格の調整や自給率の横ばい推移を受け、減益決算となる見通しを示している。