4月14日 H株「オーバーウエート」 A株「オーバーウエート」
中長期見通しを楽観、公共住宅およびインフラ建設計画が追い風に

中国国内の2011年1-3月期の建設機械需要は極めて旺盛であり、同業界はかつてないほどの好況となったもようだ。信用引き締め策による建設機械市場への影響はほとんどみられなかったという。今後は急速な都市化の進行が中長期的な追い風となる見込み。BOCIはセクター全般の先行きに対して強気の見方を継続している。

固定資産投資の大幅な伸びや中国政府が進める「低所得層向け保障型エコノミー住宅建設計画」を背景に建設機械重要は旺盛で、1-3月期にはセクター全般の工業生産高が急増したとみられている。China Construction Machinery(www.6300.com)によれば、建設機械業界の1-2月の生産高は前年同期比63%増と、全機械セクターの中で最大の伸びを記録した。BOCIは年末まで好況が続くと予想している。

建設機械大手各社は相次いで中長期目標を設定するとともに、市況の先行きに対して強気見通しを示している。三一重工(600031)、山東重工、徐州集団工程機械(000425)、長沙中聯重科(香港01157:深セン000157)、広西柳工機械(000528)の5社はいずれも、第12次5カ年計画の最終年に当たる15年までに年商1000億元以上を目指す目標を設定した。さらに、他の大手11社の売り上げ目標は計6000億元。今後は大手の存在感が増す形で業界の集約化が進む見通しという。

住宅・都市農村建設部は地方政府に対し、10月31日までに保障型住宅を全面的に着工させるよう義務付けており、関連投資は今年1兆元に上る見込み。国内の住宅建設投資全体の20%を占める見通しとなった。BOCIは10月末までに1000万戸を着工させる政府の大型開発計画が、不動産開発投資の大幅な伸びを支えると予想。そのプラス効果が、引き締め政策によるマイナス影響を吸収するとの見方を示している。

また、水質保護プロジェクトや高速鉄道建設、西部開発、地域再活性化などの各種公共事業が進む見通しから、インフラ建設関連の機械製造部門がかつてないほどの活況を迎える可能性が高まっている。同時に、保障型住宅開発計画の始動や輸出市場の回復も追い風となる見込み。BOCIは建設機械セクターが長期成長局面の入り口に立ったとみている。

BOCIによると、建設機械銘柄は現在、11年予想PER15.5倍、12年予想PER12.4倍の水準で取引されており、11年のROE(株主資本利益率)はおよそ24%の水準を維持する見通し。BOCIは現在株価が相対的に低水準にあるとし、中でもこの先の成長期待が大きく、時価総額が比較的小さい銘柄を有望視している。個別では広西柳工機械、山推工程機械(000680)、長沙中聯重科をトップピックとし、ほかに三一重工、安徽合力(600761)、徐工機械を選好している。