11年1竏鈀3月期決算は76.3%減益、石炭調達コストが利益を圧迫

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00902 華能国際電力(ホアネン・パワー・インターナショナル)  4.37 HKD
(04/21現在)
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華能国際電力が発表した2011年1竏鈀3月期決算(中国会計基準)は、売上高が前年同期比24.9%増の304億元となった一方、純利益はコスト高を背景に同76.3%減の2億2600万元に落ち込んだ。EPSは0.02元。燃料コストが前年同期を29.3%、前四半期を11.2%上回る277億元に達した結果、粗利益率は前年同期比3.3ポイント減の8.6%に低下した。さらに、急速な事業拡大によりファイナンスコストが前年同期比54.3%増の17億元にかさみ、利益を圧迫。ただ、純負債比率は233%と前四半期に比べ14ポイント改善している。

石炭調達コストが増加傾向を維持し、単位燃料コストは前年同期を5.1%上回る260.3元/メガワット時(MWh)に達した。1トン当たりの石炭調達コストは同6.4%増の835.4元。当期の石炭所要量のうち契約ベースでの調達は42%を占めた。発電所の在庫日数は平均18日間と、国内平均の13日間を上回っているが、中部地域の発電所の在庫が厳しい状態にあるという。

秦皇島の5500キロカロリー(Cal/kg)石炭価格は前四半期からはほぼ横ばいに推移しているものの、前年同期比では5.1%高。BOCIは、石炭生産者による契約価格の履行率の低さを懸念。当期の履行率は69%にとどまり、通年で87%というBOCIの予想値を大幅に下回った。履行率が低水準を維持すれば石炭調達コストは上昇し、収益を圧迫。同社の業績は石炭価格に敏感に反応するため、単位燃料コストが1%上昇するごとに11年予想EPSが22.4%減少すると試算される。BOCIは同社の利益率が引き続き悪化するとみて、11年の純利益率を10年の3.4%に対して2.2%に設定した。

当期のファイナンスコストは前年同期比54.3%増の17億元。急速な事業拡大が利益率に影響し、当期純利益率は前年同期比3.2ポイント減の0.7%に落ち込んだ。ただ、純負債比率は前四半期を14ポイント下回る233%(前年同期比13ポイント減)に改善。昨年12月にA株15億株、H株5億株規模の第三者割当増資を実施したことで自己資本基盤が拡大した。BOCIは同社の純負債比率が今後、金利上昇と設備投資拡大を受けて294%に上昇すると予想しているが、業界平均の312%を下回る水準を維持するとみている。

11年1-3月期の業績を踏まえ、BOCIは11-12年予想利益をそれぞれ21.7%、14.0%引き下げ、28億元、38億元に修正した。株価は11年予想PBR1.0倍と業界平均と同水準にあり、妥当なバリュエーションと判断。今後について、電力料金の引き上げが実現すれば業績改善が期待できると指摘した。BOCIは目標株価を小幅に引き下げ、株価の先行きについては中立の見方を維持している。