10年本決算は36%減益、サウジ鉄道プロジェクトの損失が業績圧迫

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01186 中国鉄建股フン有限公司(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)  8.36 HKD
(04/01現在)
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中国鉄建の2010年12月本決算(中国会計基準)は、売上高が前年比32.2%増の4701億6000万元、純利益が同35.7%減の42億5000万元だった。サウジアラビアでの鉄道プロジェクトの損失が減益の主因で、BOCIによると、この要因を除外した場合は20%以上の増益となる。一方、国際会計基準に基づく売上高は32.3%増の4564億元、純利益は35.7%減の42億5000万元だった。ただ、同社はすでにサウジのプロジェクトを親会社に譲渡する計画を発表しており、これに伴い業績が回復する見通しという。BOCIは2011-13年の予想EPSをやや下方修正し、それぞれ0.76元、0.926元、1.10元に設定。同社H株の目標株価を引き下げ、株価の先行きに対する中立的な見方を継続した。

通期決算を部門別にみると、インフラ建設(プロジェクト請負)部門の売上高が前年比31.9%増の4285億元で、ほかに調査・設計・コンサルティング部門、設備製造部門がそれぞれ9.1%、13.7%増収。不動産部門は98.7%の大幅増収を達成した。

サウジアラビアのプロジェクトの影響で、同社全体の粗利益率は前年を0.48ポイント下回る8.83%。この要因を除外した場合は前年の9.31%を上回る9.65%だった。販売費の対売り上げ比率は0.33%へやや上昇。研究開発費の急速な伸びを受け、管理費の同比率は前年を0.3ポイント上回る4.08%に上向いた。また、同期にはサウジのプロジェクトの影響で、資産償却額が6億1400万元に達した。

10年通期には国内売上高が前年比34.4%増の4476億元に達する一方、海外売り上げは同0.7%増の224億6900万元にとどまった。海外プロジェクトの新規受注は156件、総額259億1000万元で、新規受注全体の3.5%相当。また、期末の海外受注残(香港・マカオを含む)は全体の4.8%に当たる224億7000万元だった。

一方、10年通期の同社全体の新規受注は前年比24.3%増の7472億元と好調。うちインフラ建設部門の新規受注が同22%増の6775億9000万元に達した。また、期末の受注残高は前年同期比37.8%増の9724億1000万元。インフレ建設部門が9337億9000万元(前年比36.4%増)を占めた。

同社は昨年、銅陵有色金属(Tongling Nonferrous)と設立した中鉄建銅冠(CRCC Tongguan)を通じ、カナダのコリエンテ・リソーシズを全面買収した。開発作業はすでに始まっており、同社は12年末までに銅鉱石生産能力を3万-6万トンとする計画。BOCIは資源事業がこの先、同社の成長エンジンとなる見通しを示している。

なお、BOCIによると、中国国内の鉄道建設投資(高速鉄道を含む)は今年7000億元に達する見込み。中国政府は15年までに国内の鉄道総延長を12万kmに拡大させる方針を明らかにしている(うち高速鉄道は17%に当たる2万km)。