10年本決算は55%増益、親会社からの資産買収で航空機専業に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02357 中国航空科技工業(アビチャイナ)  4.1 HKD
(03/31現在)
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アビチャイナの2010年12月本決算は、売上高(継続事業のみ)が前年比41.7%増の80億1300万元、純利益が同55.5%増の3億6100万元に達した。「非継続事業」扱いとなった自動車エンジン部門を含めた場合の純利益は7億4000万元。部門別にみると、総合航空機部門(ヘリコプター、練習機、一般航空機を含む)の売上高が73.9%増の52億6800万元、航空機部品部門の売上高が7.3%増の29億6000万元。総合航空機の販売増や親会社から買収した中航蘭飛と中航凱天の通期寄与が好決算要因となった。製品構成比の変化に伴い、航空関連製品の粗利益率は前年を2.9ポイント下回る18.11%にとどまったが、BOCIはこの先の利益率改善を予想している。同社は自動車エンジンメーカー、東安汽車動力を親会社に譲渡する一方、親会社から新たに中航光電科技を買収。さらに中航航空電子設備(AVIC Avionics)の下に航空電子設備事業を統合するなどの動きをみせており、今後は利幅の高い同事業の比重が拡大する見通しという。

一方、同社は親会社の中国航空工業集団(AVIC)との資産交換を通じて東安汽車動力を手放しており、11年度決算から自動車エンジン部門が消える。同部門は売上高の43%、利益の51%を占めるだけに、BOCIは収益への影響は避けられないとみている。

同社は08年に事業再編に着手し、10年には親会社からの複数の資産取得に合意。これにより、航空機関連の専業メーカーに転身する運びとなった。まずは10年3月に中航蘭飛、中航凱天を買収し、その後、この2社を子会社AVIC Avionicsに注入。さらに6月にはAVIC Avionicsが同社や親会社AVICを含む4社に対して新株割当増資を実施し、AVIC Avionicsの下、中航蘭飛、中航凱天を含む航空電子関連会社6社を統合する計画を決めた。取引完了に伴い、AVIC Avionicsに対するアビチャイナの持ち株比率は現在の49.93%から44.25%に低下する。BOCIによれば、統合の対象となる6社は収益力が高く、全体の純利益率は12.5%。アビチャイナへの利益寄与は11年に約5000万元(BOCIが設定した予想純利益の約8%)に達する見通しという。また、同社はその後11年1月に、親会社から天津航空機電を全面買収する計画を発表。3月には親会社との資産交換で取得した中航光電科技をAVIC Avionicsに組み込んだ。

10年通期には販売管理費が7700万元に膨らんだが、これは主に事業再編やヘリ販売の急増、研究開発費の拡大によるものであり、BOCIは同社のコスト管理能力を前向きに受け止めている。また、同期には受取利息の伸びを受け、正味財務コストが前年を58%下回る2878万元に減少した。

BOCIは親会社との資産交換を受けた収益の減少を見込み、2011-12年の予想純利益を下方修正したが、目標株価を現行水準に維持。同社株価の先行きに対して強気の見方を継続している。