10年本決算は95%増益、国内外の需要増で収益見通し楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01157 長沙中聯重工科技発展股フン有限公司(チャンシャー・ズームライオン・ヘビーインダストリー)  19.10 HKD
(03/30現在)
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長沙中聯重工科技発展の2010年12月本決算は、純利益が前年比95%増の46億6000万元、売上高が同55%増の320億元に達した。国内の景気回復や中国政府が実施した4兆元規模の景気刺激策、さらに輸出市場の段階的な回復などが、マーケットリーダーである同社の好決算を支えた。また、製品構成の最適化や新製品の開発なども大幅増収増益に寄与した。原材料価格の低下や製品構成の改善を受け、粗利益率、営業利益率、純利益率はそれぞれ前年比4.1ポイント、4.5ポイント、3ポイント上昇。BOCIは中国国内で都市化が進む見通しなどから同社収益を楽観し、株価の先行きに対して強気の見方を継続している。

10年はセメントミキサー部門が好調だった。中小都市の建設現場でのセメント攪拌(かくはん)作業が禁止されたことなどが追い風で、セメント・ステーション業務は100%以上の大幅増収。また、コンクリートポンプ車の売上高は過去最高水準に達し、コンクリートミキサー設備全体の売上高は96%増。クレーン製品も33%増収と堅調だった。

BOCIは向こう3年間にわたり、中国国内の固定資産投資の力強い伸びが同社の利益成長を支えるとの見方。11年、12年も大幅な収益成長が続く見通しを示した。新製品の投入を受け、ミキサーとクレーンの売上構成比が12年には66%に下向く一方、土工機械が成長エンジンになると予想。同機械の売上高が09-12年に年率157%増加し、12年には売上構成比が11.4%に上昇する見通しを示した(09年の売上構成比は2.1%)。また、同社全体の売上高については09-12年に年率47%の伸びを予測している。

同社はZoomlionおよびCIFAのブランド名で世界中に製品を輸出しており、海外市場では両ブランドともに品質、機能面の評価が高い。現時点で70カ国に販売拠点を展開し、第三者販売特約店は88社、サービスセンターは14カ所、部品倉庫は15カ所。同社はアジア、北米、中東、南米、アフリカでの販売・サービス網強化に動いており、11年には海外売上比率が全体の5.7%に達する見通しだが、それでも金融危機前の16-18%には届かず、この先の海外市場の開拓余地は依然大きい。

過去7-8年間に実施した一連の買収を受け、同社はコンクリートミキサー、クレーン、清掃機械、土工機械、道路機械などの卓越した製品チェーンを持つ総合機械メーカーに成長した。これに伴い、競争力や収益力が高まると同時にリスク抵抗力も向上した。BOCIは同社が国内建設機械セクターにおけるリーディングポジションを維持すると予想。さらに掘削機、清掃機ビジネスの力強い伸びを見込み、11年には売上高が前年比55%増の499億元、純利益が同50%増の70億1000万元(EPSは1.18元)に達すると予測している。