10年本決算は15%増益、ティッシュ部門の好調持続を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01044 恒安国際集団有限公司(ハンアン・インターナショナル)  59.75 HKD
(03/30現在)
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恒安国際集団の2010年12月本決算は、純利益が前年比15.2%増の24億HKドルと、BOCIの予想を7%上回った。6800万HKドルに上る為替差益と8400万HKドルの政府補助金を除いた場合、同期の増益率は12%だった。通期の増収率は24%で、主要3品目であるティッシュペーパー、生理用ナプキン、使い捨ておむつの売上高はそれぞれ37%増、25%増、13%増。また、品目別の粗利益率はティッシュペーパーが前年を4.8ポイント下回る37.3%となったが、生理用ナプキンと使い捨ておむつは、それぞれ1.4ポイント、1.3ポイント上回る62.5%、42.4%に達した。BOCIは粗利益率が予想を上回ったとし、製品構成の改善とスケールメリットの拡大効果を指摘している(同社全体の粗利益率は44.3%)。一方、10年に創業25周年を迎えた同社は、企業イメージの向上に向けてプロモーションを強化。その結果、販売管理費の対売り上げ比率は前年比0.8ポイント増の23.8%に膨らんだ。

同社は09年に主原料である木材パルプの在庫を積み増したが、この分はすでに10年10月までに使い果たし、それ以降はスポットで調達している。10年通期の木材パルプ・コストは前年比35%増大し、11年に入ってからは一段と上昇。経営陣によれば、手元のパルプ在庫の調達価格は10年末時点で1トン当たり700米ドルだったが、スポット価格は現在780米ドルの水準にあるという。パルプ価格の今度動向については予想しにくいが、経営陣は短繊維価格がすでにピークに達したとの見方。原材料の調達において慎重なスタンスを取り、原材料回転期間を2カ月以下に抑制していることを明らかにした。また、BOCIもパルプ価格が年内にピークを迎えると予想。11年のパルプ調達コストは前年比19%増と前年から減速するとし、12年については横ばいを予測している。

10年通期にはティッシュペーパー部門の売上高がBOCI予想を上回ったが、同社は今後もボックスティッシュ、ポケットティッシュ、ウエットティッシュなど利幅の高い製品に照準を合わせる方針。利幅が低いトイレットペーパーの売上高は引き続き伸びているものの、売り上げ全体に占める割合はやや低下した。今後もティッシュ部門の販売量は全体平均を上回る伸びを示す見込み。年産能力は11年末、12年末に60万トン、90万トンに拡大する見通しとなった。一方、使い捨ておむつ部門は市場競争の激化を受けた低価格製品の売れ行き低迷で、10年通期の増収率が13%にとどまったが、新製品販売は好調。また、生理用ナプキン部門では毛羽パルプ価格の大幅な値上がりが響いたが、BOCIは製品の高付加価値化を通じ、今後も粗利益率を維持するとみている。

BOCIは予想売上高や政府補助金額の想定値引き上げに伴い、11年、12年の予想純利益を0.2%、4.4%上方修正した。12年にはコスト圧力が緩和に向かい、利益成長率が回復するとの見方。同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。