10年本決算で173%増益、生産コスト急増で下期に7億元の純損失計上
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00347 | 鞍鋼股フン有限公司(アンガン・スチール) |
10.58 HKD (03/30現在) |
株価 企業情報 チャート |
アンガン・スチールの2010年12月本決算(国際会計基準)は、純利益が前年比175%増の20億5000万元に達した。これはBOCI予想を18%上回る一方、コンセンサス予想を15%下回る水準。主に研究開発費に絡む税制優遇措置の適用で、実効税率が想定値を下回ったことがBOCIの予想値とのかい離を生んだ。通期の売上高は同32%増の922億元。製品販売量は11.1%増の2070万トンに上り、平均販売価格も18%高となる1トン当たり4288元に達した。一方、同期には在庫評価損12億9000万元を計上しており、BOCIは鉄鉱石価格の上昇が見込まれる中、この点が今後の不透明要因となる可能性を指摘している。
10年通期決算は大幅増益となったが、注目すべきは10年下期に7億1300万元の純損失を計上したこと。これにより、通期純利益は上期の28億元を下回った。鉄鉱石およびコークス価格の高騰を受けた生産コストの急増が下期の赤字の原因であり、粗利益率は上期の12.6%から下期には2.6%へ急降下した。この点は同業銘柄の馬鞍山鋼鉄(00323)も同様で、粗利益率が上期の7.6%から下期には3.3%に低下した。アンガン・スチールの通期の粗利益率を製品別にみると、冷延鋼(主に自動車・家電向け)が最も収益性が高く、前年を5.85ポイント上回る17.7%。逆に中厚板(主に造船向け)の粗利益率は7.5ポイント低下し、わずか1.0%にとどまった。
BOCIによると、11年には平均販売価格が前年比14%上昇するとみられるが、原材料価格の高騰を受け、粗利益は前年並みで推移する見通しという。2月時点では平均販売価格が1トン当たり4620元前後に達し、同社は赤字経営から脱却したもよう。ただ、BOCIは鋼板の川下需要に不透明感が残るとし、鋼板価格の先行きに対して慎重な見方を示した。10年通期に販売量全体の25%を占めた冷延コイルの粗利益率は、10年上期の28%から、10-12月期には10%未満に低下。また、冷延鋼板のスポット価格は年初から現在までに前年同期比2%下落し、建設用鋼板(同20%余り上昇)を大幅にアンダーパフォームした。
BOCIは今後のコスト増や平均販売価格の上昇率が限られるとの見通しから、同社の11年通期の予想粗利益率を10.9%から9%に引き下げ、11-12年の予想純利益を5-9%下方修正した。実効税率に関する想定値を引き下げたために、利益見通しの修正幅は相対的に小幅となった。また、11年予想PBR1.2倍(ROEが4-5%の水準にある際のヒストリカルバリュエーションに相当)をあてはめ、目標株価を上方修正。同社株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。
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