10年本決算は74%増益、原油高騰で収益見通しに不透明感
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00338 | 中国石化上海石油化工(シノペック・シャンハイ・ペトロケミカル) |
3.86 HKD (03/30現在) |
株価 企業情報 チャート |
シノペック上海石化の2010年12月本決算は、純利益が前年比74%増の27億7000万元に達し、BOCIの予想を11%上回った。主にコストが低水準にとどまったことや実効税率が20.8%(予想値24.1%)だったことなどが予想を上回る利益成長に寄与した。
通期の大幅増益を支えた要因の一つは、粗利益率が前年の4.9%から5.2%に上向いたこと。石油調達コストは前年を30%上回る1トン当たり平均3926元に達したが、製品価格の23%の値上がりで吸収した。中でも合成繊維、石油中間製品の平均価格は30%を超える伸びを示した。また、シノペック(00386)および英BPとの合弁会社である上海賽科石油加工をはじめ、系列会社・合弁会社の利益貢献が前年比170%増加したことも好決算の一因。10年通期の原油加工量、エチレン生産量はそれぞれ1050万トン、97万3000トンだった。
同社は11年の原油加工量、エチレン生産量がそれぞれ1120万トン、91万5000トンとなる見通しを示している。エチレン生産量は前年実績を下回る見通しだが、これはエチレン・クラッカーの大規模点検を予定していることが理由。一方、経営陣は11年の設備投資予算を前年の13億6000万元から30億元に積み増す計画。投資額66億元に上る石油精製施設の拡張・刷新をはじめ、2-3件の新規案件への投資を予定している。
同社は10年通期に大幅増益を達成したが、BOCIはこのところの原油高を理由に収益見通しの不透明感を指摘している。製品価格は高水準で推移する見通しだが、中国政府による価格管理を背景に、石油精製品部門の利益率が縮小する可能性が高まっている。政府は今年これまでのところ、石油製品値上げにはやや消極的。BOCIによると、3月には国内の石油精製会社のほぼすべてが赤字を計上した可能性があるという。
中東・北アフリカ情勢の緊迫化を背景とした原油相場の高騰を受け、BOCIは11年、12年のブレント原油平均価格に関する想定値を1バレル当たり104.9米ドル(修正前94米ドル)、102米ドル(同94米ドル)に上方修正し、13年の想定値を99米ドルに設定した。また、長期の原油価格に関する予測値を同94米ドルから97米ドルに引き上げた。一方、中国国内の石油製品価格については4月1日付で1トン当たり350元の追加値上げを見込み、12年4月、13年4月にそれぞれ同300元、同200元の値下げを予測している。
BOCIは10年通期決算の内容や原油相場、国内石油製品価格に関する想定値の見直しに伴い、同社の利益モデルを更新し、11年には17億元の純損失を計上すると予想。12年に関しても純利益が1億元以下にとどまる見通しを示した。これに伴い、同社目標株価を下方修正し、株価の先行きに対する中立的な見方を継続している。
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