10-13年に年率40%の利益成長を予想、販売量・価格動向に強気見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01313 華潤水泥控股有限公司(チャイナリソーシズ・セメント)  7.23 HKD
(03/29現在)
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BOCIは華潤水泥の2011、12年の予想EPSを0.567HKドル、0.764HKドルに設定した上で、マーケットが同社の販売量および販売価格見通しを過小評価しているとの見方を示した。11年、12年のEPSに関する市場コンセンサス予想はそれぞれ0.528HKドル、0.665HKドルで、BOCI予想はこれを7%、15%上回る水準。また、セメントとクリンカーの販売量、平均販売価格に関するBOCIの想定値はコンセンサス予想をそれぞれ9-14%、8%上回り、BOCIはこの先、市場予想が上向く可能性があるとしている。BOCIによると、生産能力の急速な拡大を背景に、11年のセメント、クリンカー販売量は前年比53%増の5000万トンへ急増し、平均販売価格も同10%上向く見込み。11年1-2月には販売量が前年同期比およそ50%の伸びを示し、平均販売価格も15%高の1トン当たり350HKドルに達したとしている。

BOCIはまた、10-13年にはセメント、クリンカー販売量が年率28%増加し、平均販売価格が同7%上昇すると予想。これに伴い、10-13年の純利益の伸びが年率40%に上るとみて、カバー銘柄の中では最大の利益成長率を達成する見通しを示した。さらに、この予想数字には現在建設中、あるいはすでに建設認可を得た新規生産施設のみが含まれているとし、利益がさらに上振れる可能性を指摘している。

同社は中国南部で業界2位の座にあり、南部での市場シェアは約13%。南部のセメント業界は極めて細分化されているため、この先予想される業界統合化が同社の追い風となり、価格決定力の向上に寄与する見通しという。また、同社が生産基地を置く広西チワン族自治区南寧市は域内総生産(GDP)、固定資産投資の貢献度が同自治区の中で最も大きい。BOCIは南部市場で今後、セメントの需給ひっ迫感が出る見通しにも言及している。なお、同社は広東省、広西チワン族自治区のほか、福建省、海南省、山西省に生産施設を置く。

同社は中国華潤総公司を親会社に持つ点が強み。BOCIは親会社と広東省政府との緊密な関係を理由に、公共インフラ・プロジェクト獲得に向けた同社の競争力の高さを指摘している。

同社は市場拡大策に伴って山西省市場の開拓を目指しているが、BOCIによれば、山西省は業界統合を背景にセメント価格の上昇余地が大きい。また、石炭産地である同省への進出は使用する石炭の質的向上にもつながり、全体のコスト削減に寄与する可能性があるという。

BOCIは新規カバレッジを開始するとともに株価の先行きに強気見通しを示し、同社をセメント・セクターのトップピックとしている。