10年本決算は4%減益、特別配当実施で配当利回り10%弱に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03888 金山軟件有限公司(キングソフト)  4.12 HKD
(03/24現在)
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キングソフトの2010年12月本決算は、1億500万元の一回性利益を含む純利益が前年比4%減の3億7200万元と、BOCI予想を14.7%、コンセンサス予想を7%上回った。売上高は同5%減の9億7140万元。アプリケーション・ソフトの減収を受け、BOCI予想を1.1%、コンセンサス予想を2.3%下回る水準にとどまった。オンラインゲームの売上構成比はほぼ前年並みとなる66%だった。

同社は昨年、オンラインゲームの15カ所のスタジオを半分に削減する部門再編に着手。広州市に保有していたオンラインゲーム・スタジオの売却益1億500万元を計上した。再編の実施により研究開発費は前年比36%増加したが、経営陣は再編の完了に伴い、2011年の人件費が30%軽減される見通しを示している。また、10-12月期にはその他経費2700万元を計上したが、これは再編に伴う減損損失で、BOCIは一回性支出に相当するとみている。

自社開発の新規ゲームタイトル数は10年通期にゼロだったが、経営陣は11年にゲーム5作品を発表する計画を明らかにしている。夏休みを控えた5月には、「Legend of Moon(月影伝説)」、「Rush Team」、「蒼穹之怒」のベータ版運用を開始する予定。さらに中秋節、国慶節連休をにらみ、10月に2作品を投入するという。BOCIは同社のリスク要因として、新たなゲームの発表時期が先送りされる可能性を指摘している。

同社は1株当たり0.15HKドルの期末配当に加え、同0.25HKドルの特別配当を実施する方針を明らかにした(年次株主総会での承認が前提)。これにより、23日終値(4.13HKドル)に基づく配当利回りは9.7%に達する運びとなった。

同社のプレミアム・オフィス・ソフトウェア「WPS Office」は、政府や国有企業からの受注が好調。オフィス・オートメーションやウェブオフィス、モバイルタブレット・オフィス、クラウド・ストーリッジなどの分野へサービス領域を広げたことが受注増に寄与した。

BOCIは目標株価を据え置き、同社株価の先行きに強気の見方を継続した。近く利益見通しを上方修正する可能性が高いとしている。