10年本決算で54%増益、株主割当増資は長期的にプラス
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03311 | 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション) |
7.0 HKD (03/21現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国建築国際の2010年12月本決算は、純利益が前年比54%増の10億3600万HKドルと、BOCI予想および市場コンセンサス予想を10%上回った。新会計政策に基づく売上高は同23.5%増の119億8000万HKドル。旧会計政策に基づく売上高は140億元と、BOCI予想を2%下回ったが、中国本土のBT(建設・移譲)プロジェクトと香港建設事業の粗利益率がそれぞれ21%、6.3%と、予想(15%、6%)を超える水準に達した。旧会計政策に基づく同社全体の粗利益率はBOCI予想を2.4ポイント上回った。なお、旧会計政策下では比例連結法に基づいて合弁事業収益を計上していたが、新政策下では連結から除外。中間持ち株会社CSCECLの利益(BTプロジェクトを含む)を持ち分法に基づいて計上する方法に変更した。
BOCIは11-12年の利益見通しを10-11%上方修正し、その理由として以下の3点を挙げている。【1】11-12年の粗利益率に関する想定値を0.1%引き上げ、それぞれ11.8%、12.4%に設定した(10年通期の粗利益率は11%)。インフラ投資プロジェクトの収入分配率が10年の30%から12年には37%に上昇するとの見通しが背景。同社経営陣はこの割合を15年に67%に引き上げる目標を示しているが、この水準を達成すれば、粗利益率はさらに13%上昇する見通し。【2】株主割当増資に伴う資金力の向上を背景に、BOCIは11年の新規受注額に関する予想値を4.4%引き上げ、288億HKドルに設定した。この数字は経営陣が示した見通し(少なくとも280億HKドル)を2.8%上回る。【3】新会計政策に沿って利益モデルを調整し、11-12年の予想売上高を20-28%下方修正した。
同社は既存株5株に対して新株1株の割合で株主割当増資を行う計画を提案した。割当価格は1株6HKドルで、親会社の中国海外集団がアンダーライターとなる予定。BOCIはこの増資について、短期的に痛みが伴う一方、長期的にはプラスとの見方を示している。中国政府が進める「低所得層向け保障型エコノミー住宅開発計画」の下、各地方政府は10月31日までに同住宅を着工することを義務付けられており、同社は向こう半年間にわたって受注の収穫期を迎える見込み。同社はエコノミー住宅のBT(建設・移譲)プロジェクト向けに今年15億HKドルの投資予算を組んでおり、BOCIは今年の受注額が70億HKドル(同300平平方メートル)に上ると予想。昨年の22億HKドル(総床面積80万平米)を大幅に上回るとみている。
BOCIは11-12年の利益見通しを上方修正する半面、増資に伴うEPS希薄化を受け、11年、12年の予想EPSをそれぞれ2%、7%下方修正した。これに伴い目標株価を引き下げながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
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