主要市場での引き締めが痛手、負債比率の上昇に懸念も
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02777 | 広州富力地産股フン有限公司(グアンジョウ・アール・アンド・エフ・プロパティーズ) |
10.16 HKD (03/14現在) |
株価 企業情報 チャート |
政府の厳しい不動産引き締め策の影響で、広州富力地産の財務へのプレッシャーが強まっている。住宅の品質問題がブランドイメージを損ね、将来的な販売の減速につながる懸念もある。BOCIは同社の株価の先行きに弱気な見方を示している。
広州富力地産は、2011年の不動産物件の販売目標を400億元に設定し、全体の21%を北京市で、15%を天津市で販売する方針を明らかにした。BOCIは以下の理由を列挙し、達成を疑問視している。
【1】北京市の不動産引き締め策はほかの都市に比べて厳しく、今年中に緩和される可能性が低い
【2】新規物件の供給が増え、BOCI予想では北京市での供給面積が1600万-1800万平方メートルに到達(10年の需要は1200万平方メートル)。引き締め策と供給拡大で、平均販売価格が前年比で15%下がると見込まれ、目標達成は困難
【3】天津市でも新規物件の供給面積が1700万平方メートル(BOCI予想)に急増し、10年の需要である1100万平方メートルを大きく上回る。さらに住宅用地も十分にあり、将来的な住宅供給に対応できるため、住宅価格の上値を抑えるとみられる――。
BOCIは、同社の11年1-2月の実績(41億元)に基づき、11年通年の予想販売額を294億元に設定している。
同社の住宅の品質問題も懸念材料だ。中国北部では品質に対する苦情が増えており、ニュースなどでも取り上げられるようになった。建設作業チームが北部の気候を熟知していないことが原因とみられるが、品質問題で北京や天津でのブランドイメージが傷つき、将来的に価格や契約に悪影響を及ぼす可能性もある。
さらに保有地を積極的に拡大したことで、財務が悪化している。09年に改善したとはいえ、10年も積極的に用地の取得に乗り出した。10年の成約額が予想を超えたため、純負債比率は低下したものの、依然として約90%の高水準になるとBOCIはみている。また、ぜい弱な財務が不動産物件の販売価格にも波及する恐れもある。同社は08年、キャッシュフローを確保するため、競合他社に比べて割引率を広げる戦略を採用。BOCIは今年もこうした戦略が繰り返される可能性を指摘している。
BOCIは、同社の11年の平均販売価格が1平方メートル当たり1万870元にとどまり、10年の同1万3000元を下回ると予測。この結果、11-12年の利益率が低下し、業界平均の15-18%に届かないとみている。同社が10年に取得した8カ所の開発用地の平均コストは1平方メートル当たり3543元だったため、将来的にも利益率の悪化が見込まれている。
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