3月1日 H株「オーバーウエート」、A株「オーバーウエート」
1月の新車販売が予想以上に好調、1-3月期の好決算を予想

中国国内の1月の新車販売台数は前年同月比13.8%増、前月比13.7%増の189万4000台と、予想以上の好調を示した。2月の新車販売は旧正月休暇の影響で前月を大幅に下回る見通しだが、BOCIは前年同月比ではプラス成長を維持すると予想。さらに3月には販売台数が上向くとみて、メーカーの多くが2011年1-3月期に大幅な収益増を確保する見通しを示した。また、1-3月期決算の発表シーズンには、自動車セクターのバリュエーションがPER13-15倍の水準を回復するとみて、個別では販売見通し、利益成長見通しがより明確な銘柄に目を向けている。

1月には乗用車販売台数が前年同月比16.2%増の152万9000台と、商用車(同4.9%増の36万5000台)の伸びを大幅に上回った。一方、中国政府がエコカー(低排出ガス車)および自主ブランド車に対する購入支援措置を打ち切った影響が一部にみられ、減税措置が取り消された1600cc以下(ミニバンを含む)の車種が乗用車販売全体に占める割合は70.6%と、前年同月を0.9ポイント下回った。また、自主ブランドセダンの割合も2.0ポイント減の32.7%だった。ただ、BOCIは第12次5カ年計画(2011-15年)下の自動車政策を背景に、自主ブランド車のシェアがこの先40%まで上昇すると予想。政策要因がメーカー各社の自主ブランド車開発を後押しするとみている。

国内の自動車大手17社の営業収入総額および利益総額は昨年、それぞれ前年比37.9%、74.1%の伸びを示した。また、乗用車価格指数は1月に前月を1%上回る68.6ポイント。各車両タイプ別の価格指数がすべて上向いた。

BOCIは今年の乗用車販売台数について、前年比およそ15%増を予想。中でもSUV(スポーツ多目的車)、MPV(多目的車)の販売台数がそれぞれ35%、20%増加し、セダン車の伸びを上回るとの見方を示した。一方、商用車、大型貨物車の販売伸び率については8-15%への減速を見込み、軽トラックに関しては10-15%増との予測値を明らかにしている。

一部購入支援策の打ち切りを受け、市場では1月の新車販売に対して慎重な見方が出ていたが、BOCIによると、実際には予想を上回る数字を示し、優良銘柄のバリュエーションの上昇を後押しした。BOCIは一部銘柄に関するマイナス材料や利益確定売りを受けて短期的に調整する可能性を指摘しながらも、大方の予想を上回る1-3月期決算が支援材料になるとの見方。1-3月期の好決算期待銘柄に目を向け、A株銘柄の中では安徽江淮汽車(600418))、江蘇悦達投資(600805)、上海汽車集団(600104)、華域汽車系統(600741)を有力視している。また、商用車メーカーの中では鄭州宇通客車(600066)およびウェイチャイ・パワー(000338、香港02338)を選好している。