2010年本決算は9%増益、中小都市部を中心に今後3年間で出店加速へ

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03368 百盛商業集団有限公司(ヒャクセイショウギョウシュウダン)  11.96 HKD
(02/22現在)
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百盛商業集団の2010年12月本決算は、売上高が前年比13%増の44億元と、BOCI予想の46億7000万元を6%下回った。純利益も予想を下回る同8.9%増の9億9200万元。10年通期の既存店売り上げ伸び率は前年比11.4%で、10年上期の前年同期比11.3%、1-9月期の同11.2%からほぼ横ばい推移した。同期には新たに4店舗を出店したほか、管理店舗1店を買収し、自社保有店舗数は期末に40店舗(30都市)に達した。BOCIは同社の既存店売り上げ伸び率が今後も同業銘柄を下回ると予想。広範なエリアをカバーしている同社の場合、事業エリアを集約している他社に比べてスケールメリットを生かしにくいとみられることを理由に挙げた。一方、BOCIは中小都市部のウエートを拡大させる同社戦略を前向きに評価。中小都市部が消費拡大の初期段階にあることや、競争環境が相対的に緩やかであることなどを指摘している。

BOCIは同社経営陣が示した最新の出店計画を基に人件費の増大やコミッション料収入の後退を見込み、11-12年の予想純利益を5%下方修正。同社株価の先行きに対する中立的な見方を継続している。

10年通期の増収を支えた要因は主に以下の通り。◇既存店売り上げ伸び率が10年上期および1-9月期からほぼ横ばいで推移した◇新規開業した4店舗が寄与した◇最大の収入源である化粧品・アクセサリー、ファッション・アパレル部門の売上高がそれぞれ前年比21%、13%増加した――。一方、ストックオプション費用4180万元を除外した場合の同期純利益は13.5%増の10億3360万元と、BOCI予想を7%下回る水準にとどまった。ストックオプション費用を除いた人件費の対売上高比率は7.2%。物件賃貸コストの比率は12.8%から13.1%へやや上向いた。

10年に出店した4店舗は紹興店(浙江省1号店)、北京太陽宮店、無錫新区店、合肥瑶海店。ほかに11月には広東省汕頭の管理店舗を親会社から買収した。一方、相対的に小さくロケーションにも問題があった揚州店を11月に7850万元で売却。また、2級都市に位置する四川省自貢店は予定より遅れて今年1月に開業した。国内消費市場の先行きを楽観視する同社経営陣は、向こう3年間にわたって出店ペースを加速させ、年間8-10店舗を開業する方針。これにより、総床面積は2011-13年に年率約24%、20%、17%拡大し、2013年には217万平方メートルに達する可能性が出てきた(10年末は147万平方メートル)。また、13年までに出店を計画している23店舗のうち、12店舗は安徽、四川、江蘇各省の中小都市を中心とした新規エリアに位置するという。

同社はまた、自社保有物件の比率(現在19%)を向こう3年で25%とし、長期的には30%まで引き上げる方針。BOCIは国内商業物件市場の活況に触れ、今後は賃料高騰を背景に営業リスクが高まる可能性を指摘している。