2011-12年予想利益を下方修正、バリュエーションの低さは市場の過剰反応

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00392 北京控股(北京エンタープライズ・ホールディングス)  42.95 HKD
(02/07現在)
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北京控股の都市ガス部門を担う北京ガスは1月19日、北京の2010年ガス消費量について、前年比12%増の68億1000万立方メートルだったと発表した。予想値を2%下回る水準だったことを受け、BOCIは2011-12年予想販売量を下方修正。ただ、敷設工事の進展やガス発電(CCGT:コンバインドサイクル・ガス発電)の稼働により、ガス利用量の増加が見込まれている。これらのプロジェクトが発表され次第、BOCIは販売量の予想値を上方修正する方針。

BOCIはまた、昆侖能源(00135)との共同出資会社で、陝西省-北京間のパイプラインを運営する中石油北京天然気管道有限公司の2011-12年予想利益を3.4-10.7%の範囲で引き下げた。第2期高圧設備の稼働に伴う減価償却費と電力コストが予想以上にかさんだ。2011年後半に同パイプラインの第3期プロジェクトが稼働すれば、1立方メートル当たりの電力コストはピークに達し、利益率のさらなる低下が予想される。

下方修正後の北京控股の予想利益は当初予想値を4.8-5.8%、コンセンサスを5.5-6.5%下回る水準。先送りされた住宅向けガス料金の値上げは3月以降になる見通しだが、BOCIはこの影響を予想値に反映していない。値上げによる利益の押し上げ効果は約2億HKドルに上るとみられる。

同社の株価はセクター全体をアンダーパフォームする展開が続いている。住宅向けガス料金値上げの遅れや昆侖能源のガス管爆発事故といった要因が売り圧力となっている可能性もあるが、BOCIは市場が過度に反応していると指摘。BOCIは元々予想値にガス料金の値上げを考慮しておらず、また値上げによる利益への影響も7%に満たない水準とみている。昆侖能源の住宅向けガスパイプの爆発事故は2009年12月および2011年1月に報告されているが、これは北京ガスが手がける川中事業の長距離パイプラインとは関わりがない部分であり、株価下落の要因としては、昆侖能源が川下事業での経験が浅い点が挙げられる。

同社のPERおよびPBRは業界平均(それぞれ16.5倍、2.1倍)を下回る15.8倍、1.2倍。PBV-ROE回帰分析を用いると、同社の適正PBRは1.38倍、適正株価は48.00HKドルとなる。2011-12年利益成長率を16%としたPEGレシオ(PER /利益成長率)は1倍を下回る水準。BOCIは同社の独占的な事業展開も考慮し、現在の株価を同業銘柄に比べて割安と判断。株価の先行きを強気の見方に据え置いている。